[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。

Romanian Soccer Today 2012.11
11月14日 ブカレスト

  国際親善試合

ベルギー戦

怒りなく、冷静に言うと、クリスティアン・タナーセは召集する価値なし。

ナツィオナル・アレナ

ルーマニア 2 11 1 ベルギー
10

アレクサンドル・マクシム
ガブリエル・トルジェ(PK)
23
32
66
クリスティアン・ベンテケ
チプリアン・タタルシャヌ
ヴラド・キリケシュ
(61分 スルジャン・ルキン)
ヴァレリカ・ガマン
(46分 ドリン・ゴイアン)
フローリン・ガルドシュ
ヤスミン・ラトフリェビッチ
(69分 シュテファン・ラドゥ)
ダン・ニストール
(46分 コスティン・ラザール)
ミハイ・ピンティリ
(46分 アレクサンドル・ボウルチェアヌ)
アレクサンドル・マクシム
(46分 ガブリエル・トルジェ)
ゲオルゲ・グロザヴ
(46分 ボグダン・スタンク)
アレクサンドル・キプチュ
(46分 クリスティアン・タナーセ)
チプリアン・マリカ
GKGK
DF
DF
DFDF
DFDF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
シモン・ミニョレ
ギヨーム・ジレ
ダニエル・ヴァン・ブイデン
ヴァンサン・コンパニ
ヤン・ヴェルトンゲン
アクセル・ヴィツェル
マルアン・フェライニ
スティーブン・デフール
(58分 イェレ・ヴォセン)
ケヴィン・デ・ブライネ
ドリース・メルテンス
(61分 イロンベ・ムボヨ)
クリスティアン・ベンテケ
(58分 ロメル・ルカク)
ヴィクトル・ピツルカ 監督 マルク・ヴィルモッツ
4-2-3-1フォーメーション 4-3-3フォーメーション
警告
ベンチ
シルビウ・ルングJr
ドラゴシュ・グリゴーレ
ヨヌーツ・ネアグ
マリウス・アレクセ
/・ ティボー・クルトワ
ジャン・フランソワ・ジレ
エデン・アザール
ローラン・シマン
イゴール・デ・カマルゴ
ティミー・シモンズ
ラウレン・デ・ブロック

プレイバック・オブ・ザ・ゲーム

 長らく低迷していたがついには各国のスカウトからの的となる選手が勢ぞろいした世代となったベルギーは今のところは発展途上でグレイトなチームではないが、グッドな将来性溢れるチームであることには変わりない。一方のルーマニアは戦力的にはベルギーに劣るも、試行錯誤の中でピツルカによる人選が実りを迎えつつある段階で、今回は予選の谷間の重要なテストとして相手にも申し分ない。

 試合前のポイントとしてはルキンしかいない右サイドバック(しかし近年のパップ、タマシュらの抜擢同様にルキンもセンターバックなのだが)をどうするか?。ボウルチェアヌのパートナーは誰か?。得点及びチャンスメイカーの核となる攻撃的MFの人選に横並びの評価であるキプチュ、マクシム、アレクセ、タナーセのどれを起用するかが注目となった。もちろんなぜ左サイドがこの問題を孕むようになったかはタナーセの不調に起因する。

 ラインナップされたスターターから明らかになったのは前半は当落選上、テスト、リハビリ、復帰組戦力による完全テストで、ニストールのスタメンとキリケシュの右起用というサプライズがとにかく光る。明らかにキリケシュを今後も右で起用するつもりなどはないだろうに、今回の急場しのぎの策には疑問。能力は落ちてもルキン、またはマツェルやプレアシュカを起用するのが今後のためだった。なぜならテストマッチなのだから。

 序盤はお互いに交互に押し込むシーソーマッチ。磐石メンバーのベルギーに対して新参イレブンとも言えるルーマニアだが、意外にも陣内へ攻め込むシーンが見られる。それもそのはずでベルギーは全体的に守備がかりで、攻撃でルーマニアに摘められるのも人数をかけてないからで、キプチュ、マクシムらがエリア手前まで攻め込んできても常に4バックはどっしりと構えていた。要はこのラインまでは容易に許すが、ルーマニアにとってはこのDFラインを前にしてどんずまりといった攻めきれない内容。

 お互いのチームが守備寄りにポゼッションを割き、必然と守備は高評価、攻撃は低評価となる中で迎えた22分。ベルギーの左からのクロスにエリア内はディフェンダー十分に布陣していたが、キリケシュがヘッドで弾き返したボールは正面エリアラインにいたベンテケの足下に落ち着く。そのまま放ったシュートは強烈ではなかったものの、ガルドシュをはじめ数人のプレイヤーの股下をくぐったことでブラインドとなり、タタルシャヌの横をゴールへ向かってすり抜けていった。0-1でベルギーの先制。

 このメンバー差において、しかもここまで繰り広げられてきたように攻撃にとっては厳しい戦術にもはや試合は早々に決したとも思われた。しかしどんづまりの攻撃陣を補うかのように、今回は奇策の右サイドして起用されたキリケシュが適応能力を見せつけて積極的に攻め上がる。サイドでのオーバーラップはもちろんのこと、中央に切れ込んでそのままフィールドの中心をわがもの顔で攻め上がっていく姿は2008年時のキヴやリーグ全盛期のラドイのような神々しさすら感じた。もちろん前回の代表戦出場時においてもその攻め上がりが評価されながら、ラツの優遇においてチャンスを消されていたラトフリェビッチも喜びのままに謳歌する。

 31分、左のラトフリェビッチが攻め上がり、キプチュとのワンツーを仕掛けざまに一気に右サイドのマクシムへとサイドチェンジのパスを送る。相手の右サイドとセンターバックが安全に陣取るのは変わらずの様相であり、攻めあぐねてモタモタしているようにも見えたマクシムは遅まきながら中央寄りに動き出すとすぐさまシュート。これは今までのルーマニア見られなかった思い切った行動だったが、ゴールの左隅に決まって値千金の同点となった。よく言えば一度フェイントでセンターバックを右に振らせてから体勢を崩したところにすかさずミドル、悪く言えばドリブルやパスにしてもプランなく躊躇している間にもう打つしか残されてなかった相手に打たされたシュート。

 これで振り出しに戻したわけだが、双方ともに攻めあぐねている状況は相変わらず。マクシム、グロザヴ、キプチュではどっしりとかまえたベルギーDF陣を崩せず、マリカにいたっては同調するかのように存在感を消した。お互いのDFだけが評価を高めていく時間帯が続いていくが、少しばかりながら怖いのはルーマニアのディフェンス。ベルギーの放り込みに対してエリア内に入ってきたボールへのファーストコンタクトで足なり頭なりでダイレクトに跳ね返すのだが、失点シーンの再現のように付近の相手の足下へと収まる。堅守密集のエリア内であってもアーリークロスを放り込んでおけば、セカンドボールにチャンスがあるというベルギーの図式が展開される。それでもなんとか前半は終了。

 後半になると本来のメンバーに近づいた感じで大量交代。これによりなんといっても最も顕著に改善されたのがトルジェが率いる攻撃陣。正確に言うとトルジェのみなのだが、もはやトルジェこそが戦術というムトゥ時代の再演。前半のマクシムが攻めあぐねて、相手のDFも組み易しとした右サイドのスペースは1人で打開できる能力のトルジェによって活性化され、ベルギー陣からも明らかに違うスキルにプレッシャーがきつく襲い掛かる。それでも格の違いで巧みなステップとドリブルでクロスを上げまくるトルジェ。しかし微妙にスタンク、マリカのラッシュは決められず。ひきつづきとたてつづけにという表現がしっくりくるぐらいトルジェからチャンスが生まれてくる。前半と比較する実力差は悲しいぐらいに明らかなものとなった。

 後半19分にはその度重なる猛攻にトルジェが右サイドでエリア内に侵入する際に、相手の腕にボールを当てて運良くPKゲット。個人的には内容のテストであったのでこのまま引き分けでもOKだったが、結果としての決勝弾となる追加点をマークした。

 ここからは抜粋となるが、難癖つけるとすれば、8人を交代出場させたルーマニアに対して公式戦同様に3人の交代にとどめたベルギー。テストマッチとなれば、特にメンバーを絞りきれていない我がルーマニアにとっては事前の決め事によってこの交代枠がなくなることはありがたいことではあるが、相手チームが厳密に3人だけの交代にこだわったとなると、その結果ズルいというかかなりのアドバンテージだったことは言わずもがな。あとは天才司令塔アザールは温存だし、ルカクも32分の出場と、ガチンコでベルギーに勝ったとは言い難い。双方にテストを満喫したのだろう。

 最後に前半のテストに、後半のトルジェという印象だったテストマッチだが、私の印象はマクシムの個人技、トルジェの安心感、キリケシュの適応能力、グロザヴとマリカの好不調よりも後半のタナーセの体たらくに尽きる。両翼がルーマニア攻撃の生命線において、左のタナーセにもチャンスメイクするシーンでのパスが結構渡ったが、ことごとく潰していった。ドリブルで抜くでもなく、パスで散らすでもなく、シュートを打つでもなく、ただ単に左サイドに渡ったボールは相手に奪われる運命にあった。もはや使い物にならないことがこれで最終通告としてもってこいのシーンの連続。あれなら左をあきらめて右にすべてを賭けた方が可能性はある。4回連続奪われて、画面を見ながらタナーセにボールがいきませんようにと願っていた私。それでも渡るボールは5回目、6回目、7回目すべて簡単に奪われていた。10人で戦ったほうが、ボール奪取される可能性が低くなってより良いだろう。代わりにテディベアかリカちゃん人形でも置いていた方がルーマニアが勝利する可能性は高い。この際、なにもしないでも許す。ただチャンスを潰しまくるのなら満場一致でいらない。

心配なのはムトゥ頼みが単にトルジェ頼みへ移行しただけなんじゃないかってこと

 実際に見ての印象は
 グレイト:トルジェ、キリケシュ
 グッド:ゴイアン、ニストール、ボウルチェアヌ、ラザール
 アベレージ:タタルシャヌ、ガマン、ラトフレ、ピンティリ、マクシム、キプチュ
 プア:ルキン、ガルドシュ、ラドゥ、スタンク、グロザヴ、マリカ 

11月12日 ブカレスト

  国際親善試合:ベルギー戦
  

国内メンバー発表

  

 ルーマニア代表のヴィクトル・ピツルカ監督は来月14日にナツィオナル・アレナでおこなわれるベルギーとの親善試合に向けての国内組を発表しました。直前に海外組がごっそりとカットされています。守備陣は前回とほぼ同様のメンバーですが、攻撃陣はあのルセスクを落としてもまだキプチュ、アレクセ、マクシムなど試さなくてはいけないメンバーが揃っています。すでにトルジェとグロザヴが鉄板として君臨している残りに誰が滑り込むのか楽しみです。あとは長らく国民の支持を得ていたニストールがようやく召集されています。



 GK  所属 生年月日 CAP
 チプリアン・タタルシャヌ  ステアウア・ブカレスト 1986.02.09 (26歳) 15/0
 シルビウ・ルングJr  アストラ・ジュルジュ 1989.06.04 (23歳) 2/0
 DF
 ドリン・ゴイアン  スペツィア(ITA・2部) 1980.12.12 (31歳) 48/5
 シュテファン・ラドゥ  ラツィオ(ITA) 1986.10.22 (26歳) 11/0
 ヴラド・キリケシュ  ステアウア・ブカレスト 1989.11.14 (22歳) 14/0
 ヴァレリカ・ガマン  アストラ・プロイエシュティ 1989.02.25 (23歳) 9/1
 フローリン・ガルドシュ  ステアウア・ブカレスト 1988.10.29 (24歳) 7/0
 スルジャン・ルキン  ディナモ・ブカレスト 1986.03.04 (25歳) 5/1
 ヤスミン・ラトフリェビッチ  ステアウア・ブカレスト 1986.05.11 (25歳) 5/0
 ドラゴシュ・グリゴーレ  ディナモ・ブカレスト 1986.09.07 (24歳) 3/0
 MF
 ガブリエル・トルジェ  グラナダ(SPA) 1989.11.22 (22歳) 23/7
 コスティン・ラザール  PAOKサロニカ(GRE) 1981.04.24 (31歳) 22/0
 クリスティアン・タナーセ  ステアウア・ブカレスト 1987.02.18 (25歳) 24/4
 A・ボウルチェアヌ  ステアウア・ブカレスト 1985.04.24 (27歳) 16/0
 ミハイ・ピンティリ  ステアウア・ブカレスト 1984.11.09 (28歳) 8/0
 アレクサンドル・キプチュ  ステアウア・ブカレスト 1989.05.18 (23歳) 6/1
 アレクサンドル・マクシム  パンドゥリ・トゥルグ-ジウ 1990.07.08 (22歳) 3/1
 ヨヌーツ・ネアグ  オツェルル・ガラツィ 1989.10.26 (23歳) 3/0
 ダン・ニストール  パンドゥリ・トゥルグ-ジウ 1988.06.05 (24歳) 0/0
 FW
 チプリアン・マリカ  シャルケ(GER) 1985.10.02 (27歳) 58/18
 ボグダン・スタンク  オルドゥスポル(TUR) 1987.06.28 (25歳) 17/2
 ゲオルゲ・グロザヴ  ペトロルル・プロイエシュティ 1990.09.29 (21歳) 7/3
 マリウス・アレクセ  ディナモ・ブカレスト 1990.02.22 (22歳) 5/0

11月10日 ブカレスト

  国際親善試合:ベルギー戦
  

海外メンバー発表・改定

  

 ルーマニア代表のヴィクトル・ピツルカ監督は来月14日にナツィオナル・アレナでおこなわれるベルギーとの親善試合に向けての海外組を発表しました。復帰組はラドゥ、フローレスク(笑)、ダニエルになってますが、そろそろダニエルにも(笑)を付ける頃かもしれません。ラドゥに関しては今期はケガでクラブの試合にほとんど出場していないので、可能性は低いと思います。後半からは国内組の選手だけでプレーしてもいいかもしれません。

 追加加筆:この14人のメンバーから8人もの選手がカットされました。だいたいは賛成の範疇ですが、手薄な右サイドにうってつけのタマシュの離脱は疑問が残るところ。よってルキンの一択が濃厚。逆にここまでリーグでの出場がなく、カット最右翼だったラドゥが残ったことによりようやく再始動か。



 GK  所属 生年月日 CAP
 コステル・パンティリモン  マンチェスター・シティ(ENG) 1987.02.01 (25歳) 14/0
 DF
 ラズヴァン・ラツ  シャフタル・ドネツク(UKR) 1981.05.26 (31歳) 86/1
 ガブリエル・タマシュ  WBA(ENG) 1983.11.09 (28歳) 61/3
 ドリン・ゴイアン  スペツィア(ITA・2部) 1980.12.12 (31歳) 48/5
 シュテファン・ラドゥ  ラツィオ(ITA) 1986.10.22 (26歳) 11/0
 パウル・パップ  キエーボ(ITA) 1989.11.11 (22歳) 10/1
 MF
 ラズヴァン・コチシュ  FKロストフ(RUS) 1983.02.19 (29歳) 49/2
 ガブリエル・トルジェ  グラナダ(SPA) 1989.11.22 (22歳) 23/7
 コスティン・ラザール  PAOKサロニカ(GRE) 1981.04.24 (31歳) 22/0
 ジョルジェ・フローレスク  アーセナル・キエフ(UKR) 1984.05.21 (28歳) 11/1
 FW
 アドリアン・ムトゥ  アジャクシオ(FRA) 1979.01.08 (33歳) 75/34
 チプリアン・マリカ  シャルケ(GER) 1985.10.02 (27歳) 58/18
 ダニエル・ニクラエ  クバン・クラスノダル(RUS) 1982.10.06 (30歳) 39/9
 ボグダン・スタンク  オルドゥスポル(TUR) 1987.06.28 (25歳) 17/2



バックナンバー
2012 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 / /
2011 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2010 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2009 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2008 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2006 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2005 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2003 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2002 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2001 / / / / / 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

戻る