Romanian Soccer Today 2010.3
3月25日 イタリア

  キヴが頭蓋骨骨折から早期の復活

 1月6日のキエーボ戦でセルジオ・ペリシエと激突して頭蓋骨骨折と診断され、今期は絶望とまで言われていたインテル所属のルーマニア代表クリスティアン・キヴは昨夜のリボルノ戦でスタメンで復帰し、チームの3-0の勝利に貢献しました。

 『特に心配はありませんでした。しかし、いつもよりかは神経質になっていたことは否めませんね。代表として初めて望んだ2000年の欧州選手権以来の感覚でした。ピッチ内外でサポートしてくれた多くの人に感謝したいですね。今日の先発については監督から今日言われました。私は準備ができていると判断したからOKしました。』

 いきなりスタメンはどうかとも思いましたが、なんとか無事のようでなによりでした。これで不遇の代表の2012年欧州選手権予選に向けてとりあえずのパーツが埋まりました。しかしケガが多いのはなんとかなりませんかねとそろそろ言いたい。
3月20日 ドイツ

  マリカがリーグ戦で久々の2発

 所属のシュツットガルトで高給取りながら、ここまで期待を裏切るプレーを続けているルーマニア代表のチプリアン・マリカはブンデスリーガ27節のハノーファー戦で2得点を決めてチームの勝利に貢献しています。

 ここまで3得点のマリカはチームのスタメンFWであるカカウ、ボグレブニャクに次ぐ3番目のFWとしてほぼ後半途中からの出場やスタメンからの途中交代で十分な出場時間は得ていません。それは加入した2年前からも同じ状況で、07/08は28試合2得点、08/09には27試合3得点とチームにとっては獲得したことが失敗と言わざるをえない感じでした。

 この試合ではスタメン出場し、36分に先制点、54分に追加点を決めて76分にカカウと交代するも2-0の勝利のMVPとなりました。これで前半戦はまさかの降格圏内に沈んでいたチームは後半の盛り返しによって現在、フランクフルトやマインツと並んでリーグ8位まで上昇しています。

 『私の2つのゴールには自身も嬉しく思っています。しかし最も重要なのはチームの勝利です。我々はここ2試合でブレーメン戦の引き分けとシャルケ戦の敗戦でポイントを落としていましたから。これで波に乗れると確信しています。』
3月20日 ブカレスト

  ワールドカップ開催前にルーマニア代表は2012年に向けてテストマッチ

 ルーマニアサッカー協会は5月下旬から6月上旬にかけてアウェーでウクライナ代表と、オーストリアでマケドニア代表とホンジュラス代表との親善試合を予定していることを発表しました。

 日程的には27日に代表集合でそのままウクライナへ移動。29日にウクライナとの試合。翌日にオーストリアのヴィラハに移動して2日にマケドニアとの試合。5日にクラーゲンフルトでホンジュラスとの試合というように過密スケジュールとなっています。2006年5月の北米ツアー3試合のような強行軍でまったくもってコンディションに問題がある設定だったという言い訳だけは止めてほしいものです。

 前回の2008年欧州選手権前の北米テストマッチで主にゴイアンとニコリツァが台頭したように、今回はどのような選手が出てくるのでしょうか。ただしピツルカ政権全盛期のあの時とは違って多くの問題を抱えながら、そしてその多くの問題を少しも解決することなく時間だけを浪費しているこの代表の土壌では育つということの期待は持たない方が懸命かもしれません。
3月3日 ティミショアラ

  国際親善試合

イスラエル戦

強いとか弱いではなく私の好きなルーマニア代表にはほど遠いのでしばらく静観。

ダン・パルティニシャヌ

ルーマニア 0 00 2 イスラエル
01
45
84
ヨッシ・ベナユン
エルヤニフ・バルダ(PK)
コステル・パンティリモン
ヴァシレ・マフテイ

ミレル・ラドイ
ドリン・ゴイアン
(46分 ガブリエル・タマシュ)
ミハイツァ・ネシュ
(87分 ラズロ・セプシ)
ジョルジュ・フローレスク
(85分 ティベリウ・ギオアネ)
パウル・コドレア
(72分 ラズヴァン・パドゥレツ)
ミハイ・ロマン

(46分 チプリアン・デアク)
バネレル・ニコリツァ
(79分 アンドレイ・クリステア)
チプリアン・マリカ
(56分 ゲオルゲ・ブクル)
ダニエル・ニクラエ
(56分 マリウス・ニクラエ)
GKGK
DF
DF
DFDF
DFDF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW

FW
FW
FWFW
ドゥドゥ・アワト
(46分 ニル・ダヴィドヴィッチ)
クレミ・サバン
タル・ベン・ハイム
(70分 ディーン・モリ)
アヴィ・ストロール
(53分 デケル・ケイナン)
ヨアフ・ジヴ
ジル・ヴェルムート
(70分 ビブラス・ナトホ)
ビラム・カヤル
(92分 ロニー・ガフニ)
アヴィハイ・ヤディン
(46分 タミル・コヘン)
ヨッシ・ベナユン
(81分 オメル・ゴラン)
ロベルト・コラウッティ
(46分 シュロミ・アルバイトマン)
イタイ・シェフテル
(46分 エルヤニフ・バルダ)
ラズヴァン・ルチェスク 監督 エリ・オハナ
4-4-2フォーメーション 4-4-2フォーメーション
警告

ミハイツァ・ネシュ
ミレル・ラドイ
60
83
89
ヨッシ・ベナユン
ベンチ
ミルチェア・ボルネスク
クリスティアン・パニン
ヴァレリカ・ガマン
/・

プレイバック・オブ・ザ・ゲーム

 この日お披露目となったホームでの赤を基調とした新ユニフォームのルーマニア代表。何かを変えないといけないという状況を、単に現在最強と言われるスペインの恩恵を預かるための形にすがるまでに成り下がったルーマニア代表は一般人レベルでのフットサルサークルで己の実力は度外視に好きなチームのユニを着て自己満足に浸るアマチュアの様相でしかない。数々の伝統を背負ってきて、そして多くの選手の尽力によって「黄色=ルーマニア代表」という認められるまでになった偉大なユニフォームは現在のカオスによって「黄金世代との比較」及び「過去の遺産」という体たらくな責任転嫁によってアイデンティティは消され、何かを変えなければという想いは個々の実力やサッカーに対する姿勢、チーム戦術等の抜本的要因を棚に上げられて単に形としての逃げ道で解決となった。

 スタメンに関してはケガ人やサスペンションの影響で安心して見ていられるというレベルにはほど遠いもの。そもそも最近のルーマニア代表に安心して見られる試合などなく、もはやどんな相手でも敗戦すら簡単に受け入れられるマヒ状態ではあるのだが。右サイドはあいかわらず我らがマフテイで、サプナルのサスペンションによって実力不足ながら監督の贔屓によって安堵のスタメン。センターでも起用が見込まれた左のラドゥのケガによりようやく待望の召集を受けたセプシはもはや伸びしろの限界を誰もが知るネシュに遮られた。守備的MFには核のギオアネのコンディション不良によって、違いを知るラズヴァン名監督のみが支持するフローレスクが起用。攻撃のタクトは労働者ニコリツァにまかされ、得点のとれないFW4人衆のどっこい背比べの中から実績と縁故でマリカとD・ニクラエが並んだ。

 ムトゥを削ったルーマニア代表の攻撃陣にとっては期待された独力の成長も停滞する中で、中央の空いたフォーメーションも手伝って得点を取るには明らかにサイド攻撃がメインとなる。序盤はそのとおりに右のマリカとロマンによってクロスを上げるチャンスまでには持っていく。残念ながらその精度が悪く、コンビの合っていないニアサイドばかりに固執してエリア内ではつながらず。

 前半7分までには中盤でのパス回しも悪くない。ワンタッチでの意思もはっきりと見え、サイドのフリースペースへの狙いもある程度は評価できるものだった。しかし左のニコリツァ、右のロマンの両翼までは攻め込むパターンは見るのだが、中央の選手のプレーがまったく出てこない。特にFWの登場は皆無であり、ここでギリシャで活躍しているターゲットマンのヴィクトラシュ・ヤコブを順当に召集していたらと切に願わずにはいられなかった。

 結局前半でのチャンスと言えば、FKとCKのニコリツァからのゴイアンのヘッドという形でしかなかった。ただそれもドンピシャで合う場面はなく、それでも強いてチャンスと言わざるを得ないぐらいプアーな想像どおりのルーマニア代表。ニコリツァの一人元気だけが目立ち、中に切れ込んでくるほど中央には違いの作れる選手が欠如。ギオアネ、タナーセではなく、コドレア、フローレスクにはそもそも無理な注文ではあるが・・・

 そして前半終わり直前に狡猾なイスラエルの一気にカウンターにエリア外で5対3の数的有利ながら、DFの間を走り抜けるベナユンにボールが渡ると状況はパンティリモンとの1対1に。ベナユンのイスラエル代表と表現されるように実力の抜きん出た能力そのままに余裕で先制点を挙げた。

 後半にはユーロの評価から評判を落としているゴイアンに代わり、スランプの癒えたと思いたいタマシュが久々に出場。ラドイ+ゴイアン+タマシュというもはや信頼面において疑問のメンツよりかは、世代交代の部分でもキヴ→ラドゥという図式を望むところだが、共にそれが実現しないのがケガ多きルーマニア代表の現実。もう一人の交代はロマンに代わりデアクとなり、この試合で試すべき順位の交代選手2、3位が投入された。ちなみに1位はセプシ。

 開始直後のCKではこの試合最大かつ外してはいけないチャンスが訪れた。デアクの放った精度抜群のクロスがエリア1メートルのマリカにつながると決めなければいけない同点のポジションに。しかし狙ったシュートは相手DFに弾かれて早くも得点の匂いが枯渇したルーマニア代表。唯一の収穫はニコリツァを右にずらして左に入ったデアクがサイドを活性化し、画面からもそのスピードとクロス能力は違ったものを見せていた。是非とも使い続けて新たなチームの色を構築してもらいたいものだ。

 56分にはマリカとダニエルに見切りをつけた指揮官はブクルとマリウスを投入。残念ながら誰が出ても得点を取ることの信頼においては期待できないこの交代に現代表のFWベスト4としてチームの限界は明らか。抜本的改革にはもはやユースからの底上げしかないような時期に来ていることは指揮官以外の人たちが知るところなのである。

 その後も中盤でのしのぎ合いは続き、名監督ラズヴァンの推すフローレスクによる良くも悪くも無いタクトでルーマニア代表の指針はまったく見えず。まさに目標の無い団体がただいたずらに時間稼ぎをしているという目の前の光景にこのごろの代表戦で定番となった、後半戦のダラダラのおかげで私とFotbal Roman管理人のコンツァが試合を見ずにチャットで近況を語り合うのに大いに助けられたものである。

 そのフローレスクが去ったのは85分。代わって入ってきたのはコンディション不良とされていたギオアネだったが、特に喜びも無し。正直言ってギオアネがいるのを忘れていたという事実はもはやこの試合、この代表に対する情熱が失われていた証だったのかもしれない。そしてこの試合で試すべき筆頭であるセプシがいまだ投入されずもさすがの指揮官だなと思った刹那、フィールドではイスラエルに左サイドの1対1を突破されたネシュが、エリア内に入ったところで苦し紛れで後ろから相手の肩に手をかけて突破許さじというかっこいいプライドを見せる。もちろん突破許さじの個人的プライドは相手を倒してイエローカード、そしてPK、2点目。

 この面白ショータイムで失点した直後にいまさらながらのネシュに代えてのセプシ投入。後手後手というか何がしたいかわからない指揮官、まさにあっぱれ。残り3分でセプシの能力を把握できるという稀有な能力がこれからのルーマニア代表監督としてのスタンダードなのでしょうね。ていうかデビューの頃に2戦連続ヘマをしてそのマイナスイメージを引っ張ってきたネシュの今日のプレーでもういいでしょう。

この顔ぶれでは本戦には不相応

 まぁなんだかんだ監督について言ってもこのメンツを見ればいまだにムトゥ、キヴ頼みなのは明らかで、監督問題同様に一番の戦犯は選手がふがいないってのも重々承知であります。



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