Romanian Soccer Today 2009.12
12月26日 ウクライナ

  ラツに銀河系からのお誘い

 冬の移籍マーケットに向けて、ウクライナではや6年半を過ごして地味ながら代表でもクラブでも安定した地位を築いているラズヴァン・ラツに対して銀河系クラブと揶揄されているスペインのレアル・マドリッドから獲得の意思があると報じられています。

 これまで元代表監督のミルチェア・ルチェスクの下に多くの代表選手が集められてきましたが、フローレア、バルカウアン、ストイカン、マリカなどクラブはリーグ制覇などに輝くも、個人として成功を収めたとは言い難いケースが多かったですが、ラツはまさにルチェスクの懐刀として常にスタメンとしてここまで多くのオファーがありながら残留。昨シーズンはついにUEFAカップを制するクラブとなりクラブも自身も次のステップが予想されていました。

 そこに白羽の矢を立てたのはいきなりトップクラスのレアルであり、まずはシーズン終了までの半年レンタルという形で話が進められている模様。レアルはロベルト・カルロス退団以降ここ最近は左サイドがネックとなっており、ユースでの人気株だったオランダのドレンテやブラジルのマルセロ、そして今期はリバプールからアルベロアなどを獲得しつつも絶対的なポジション確保にまでは至っていません。

 『私はマドリッドに移籍することに異論は無いし、もはや彼のためにその時期が来たといっても良いでしょう。彼についてはここまでシャフタルに貢献してくれたことに誇りを持っています。非の打ち所の無いフットボーラーだったことに疑いはありません。もはや次のステップに進むべきことは多くの人が思っていることであり、実力からすれば遅すぎた感さえあるぐらいです。』−ミルチェア・ルチェスク監督

 しかし個人的な感想を述べれば行かない方がいいように思えます。もし行くなら半年後の身の振り方をあらかじめ整えておいたほうがいいでしょう。出場機会が得られなく評判が下がってシャフタル以下のクラブに行くしか選択肢が無くなるケースを恐れます。ましてや守備に趣を置かない獲得のスタイルであるにもかかわらず、ドレンテやマルセロなど攻撃的な選手と知っておきながらその守備性に疑問を呈するクラブであり、右サイドのスペイン代表のセルヒオ・ラモスはその攻撃性能で何度もチャンスを作り出し、各国クラブから引く手あまたの存在にもかかわらず、攻撃よりも守備のバランスを避難されているぐらいです。その問題を解決するための補強としてはラツは分不相応と思います。同じ轍を踏むイメージしかわかないのです。
12月23日 イタリア

  ゴイアンの厳しき選択肢が迫る

 現在パレルモでセリエA初挑戦のシーズンを送っているルーマニア代表ドリン・ゴイアンは冬の移籍マーケットで古巣ステアウアの宿敵であるディナモ・ブカレストからシーズン終了までの半年間レンタルを打診されているようです。

 パレルモは今期カターニアからゼンガ監督を迎え入れて、かつてステアウアで指揮していたつてでゴイアン獲得を成功していました。しかし以前ステアウアで国内最高のセカンドトップとして鳴らしたディカがオーナーの執拗な反抗でピークの2〜3年間を国内で過ごした後にセリエAのこれまたゼンガ監督の下でプレーしましたが、結局はまったく通用せず、クラブが成績好調の中でゼンガですら起用できない生殺し状態で失敗した状況と酷似していたためにそのスピードのなさが心配されていました。

 そしてこちらもやはりというかプレー時間は5試合に留まり、内容も戦犯となるようなひどいものでありました。そして皮肉なことにディカの時と同じようにパレルモも予想外の快進撃を見せて現在7位の好位置につけており、ヨーロッパリーグ順位の6位まで1ポイント差、チャンピオンズリーグ順位の4位まで2ポイント差につけています。またさらに悪いことにこの順位でありながら11月の内容と戦績が振るわなかったことでかろうじて防波堤になっていたゼンガが解任され、もはやチームのトップチームのサブにすら居場所はないとも言われています。

 そのような状況にタマシュが抜けることが予定されている国内のディナモがオファーを出したようなのです。実現すればステアウアからのブーイングは必至ですが、現役代表であるゴイアンが選手として一番大事な出場機会を取るか、献身をとるかが注目されています。というか毎回このようなブーイングに関して思うことはかつての選手が苦しんでいる状況で古巣としてオファーすらしていないのにブーイングとはいかがなものかと。「宿敵とはいえ出場機会を与えてくれる存在」と「生殺しでこのまま代表のポジションを失ったとしても古巣への愛を貫けと主張する存在(ちなみにオファーはしない)」では選手として進む道は明らかである。少なくとも同時のオファーで金額の高い宿敵を選んだ時に初めてブーイングする権利が生じてくるものではないのか。
12月23日 イングランド

  タマシュがイングランド2部へ

 ディナモ・ブカレスト所属の元ルーマニア代表ガブリエル・タマシュはイングランド2部リーグのWBA(ウエスト・ブロムウィッチ・アルビオン)から新戦力として獲得のオファーがあるようです。

 監督のロベルト・ディマッテオも所属センターバックのアブドゥライ・メイテが1月にアフリカ・ネーションズカップで離脱することを見据えてはやくからモニタリングしていた模様。すでに好調に交渉は行われていて締結は時間の問題とも報じられていて、今週にメディカルチェックが予定されています。

 実際にディナモでは代表での欧州選手権以降のプレー同様に覇気が感じられなく、チームに重要な選手であると同様に問題児としても扱われていて、クラブも放出を認める旨を明らかにしています。そして本来の所属であるフランスリーグのオセールもここ何年もディナモのレンタル延長を認めてきている現状からすんなりとまとまるのではないでしょうか。
12月22日 ポルトガル

  サプナルが最高3年の出場停止処分へ

 ポルトガルのFCポルト所属のルーマニア代表クリスティアン・サプナルがリーグでの暴力行為で最長3年の出場停止が課せられる可能性に陥っています。

 ことの顛末は20日のアウェーでのベンフィカ戦で自身の出場もなく、チームも大事なダービーで敗れてフラストレーションが溜まりながらロッカーへ引き上げる通路の中でスタジアム関係者を殴ったというもの。この点についてはまだ詳しいことはわかっていない状況で、無言でいきなりという記事もあれば、一言二言かわした後でもみ合いになったという記者の証言もあります。

 『イライラしていて通路の壁を叩こうとしたところ、たまたま人がいて当たってしまった。』というのは本人の弁ですが、言い訳にも聞こえますし、真実なのかもしれません。この件でポルトガルリーグ協会は審議を予定していて、現在はまずしばらくの出場停止ということになっていますが、規約では試合関係者への暴力行為は6ヶ月から3年の出場停止、及び2,500ユーロから7,500ユーロの罰金。また正当防衛が認められる場合においては2〜6試合の出場停止、及び1,250ユーロの罰金となっています。

 もしサプナルに非アリとされた場合は最悪3年のキャリア停止が待っています。放出して他のリーグで適用されるかもまだ確定はされていませんが、少なくともポルトはすでに後釜となる選手を探しており、出場のチャンスが減ることはそのイメージ同様に確定。また代表ですでに下っている2試合停止後もクラブでのチャンスがなくなることによって普通に召集外となる負の連鎖が予想されています。

 コントラ、オガラルなどの右サイドを継承する存在としてはその素質と共にポルトガルのチャンピオンチームのスタメン、またチャンピオンズリーグでの経験も豊富というように申し分のない選手として不安のないポジションではありましたが、代表でのイザコザや今回のことを含めて試合に出れないフラストレーションがもとでの問題が多すぎてもはや問題児となっています。
12月19日 ルーマニア

  今年のルーマニア最優秀選手はキヴに決定

 毎年恒例であるルーマニア紙のガゼタ・スポルトゥーリによるルーマニア最優秀選手が発表され、圧倒的存在のいない不遇のシーズンの中でインテル所属のクリスティアン・キヴが選出されたようです。

 今回は例年の5位までの選出ではなく、ノミネートなしで1位のみが発表という形式になっています。今年は代表の凋落と海外組ではケガ人続出とスタメン落ちであり、強いて選ぶなら弱小ながら国内リーグを制覇し、チャンピオンズリーグで善戦したウニレアから代表での新風を含めてユリアン・アポストルかUEFAカップを制したウクライナのシャフタル・ドネツクのスタメンであるラズヴァン・ラツが消去法で選ばれる可能性もありましたが、ここは地盤の強さでセリエAの常勝軍団のスタメンをはるキヴがそのクラブの成績での優位、及びダメダメながら代表での主将としての位置づけが影響して選ばれています。

 またこちらは評判どおり2強対決となった最優秀監督はそのメンバーの能力では難しい中でリーグ制覇に導き、チャンピオンズリーグでも意地の強さを見せたウニレアのダン・ペトレスク監督が受賞。株としてはUEFAカップの頂点に立ったシャフタルのミルチェア・ルチェスク監督の方が明らかに上ですが、ここはルーマニアの賞として能力の振り幅がインパクトを与えたウニレアの強さが国内のイメージとして強かったようです。遠きウクライナで長年指揮しているルチェスクにルーマニアのイメージが薄れてきているのも原因かと。

 しかし粋な計らいでルチェスクには特別賞が与えられ、面目と言うか賞自体の体面も保たれたようです。そりゃそうです。欧州の頂点より国内での一介のリーグ制覇だけが賞されたら世界の目からはルーマニア最優秀賞の意義も皆無と見られたことでしょう。ちなみに当然ながら後日のUEFAの今シーズンの最優秀監督にはルチェスクが5位にランクされています。

 また国内の選手では昨今の外国人流入を象徴するようにウニレアのアルゼンチン人、パブロ・ブランダンが選ばれました。今回は他にも主将のジョルジェ・ガラマズらウニレアの選手が高評価を得ていて、もし5位までのランキングであったら3選手ぐらい入っていてもおかしくないほど、ウニレア一色のシーズンでした。
12月11日 ブルガリア

  ロシアの3選手が契約満了により移籍

 ロシアリーグに属する辺境チェチェン共和国のクラブであるテレク・グロズヌイに所属していた元ルーマニア代表のダニエル・パンク、フローレンティン・ペトレ、アンドレイ・マルガリテスクが1年半の契約期間を無事に終えて解体することになりました。

 入団当時はまだまだ能力は十分の3選手がロシアの強豪とも言えないクラブに入団することが衝撃を与えましたが、現在までにはそれぞれ静かにテレクの主力として今期はパンクが22試合7得点、ペトレが19試合2得点、マルガリテスクが16試合無得点を記録。12月で2009シーズンを終えたロシアリーグでの順位は降格ゾーンから2つ上の13位という残念な結果でしたが、クラブの規模ではやむなしといったところでしょうか。

 そして来期09-10シーズン後半からパンクとペトレはブルガリアリーグのCSKAソフィア入団が決まっています。ソフィアは前半戦を首位に4ポイント差の2位で追っており、もし1位であればチャンピオンズリーグ予備選から、2位か3位ならヨーロッパリーグ出場への道が開かれています。またペトレはかつて2シーズンこのクラブに在籍したことがあり、07/08シーズンには24試合11得点でリーグ制覇に貢献しています。

 一方、マルガリテスクは古巣のディナモ復帰が決まっているようです。
12月1日 スペイン

  元代表のラドゥカヌがバルセロナに帰還

 以前ステアウアで得点王に輝きながら、海外に進出してからはバルセロナを本拠地とするエスパニョールをスタートとしてビーレフェルト(ドイツ)、ヴァスルイ(国内)、広州医薬(中国2部)、サラミナ(キプロス)、ソレント(イタリア3部)、U・クルージュ(国内)、レンコラン(アゼルバイジャン)と強いとは言えないクラブを半年で転々として、中国2部の5得点が最高記録の計6シーズンで11得点しかしていない内弁慶として知られているクラウディウ・ラドゥカヌが先月にスペイン5部のカタルーニャリーグのポブレ・セックで公式戦デビューしていたことが判明しました。

 『私の代理人がこのオファーについて知らせてくれた時、もう一度スペインでプレーしたいと思っていたので5部であれ承諾しました。今回は練習に参加するような気持ちでしばらく様子を見るつもりだ。このステップを経て次はどこになるかは決まってないけど、2部のチームでも喜んで行くつもりだ。』

 いちおう短期での所属になるだろうことは本人もクラブも予想していますが、結果を残す責任だけは感じており、ここい1ヶ月ですでに4得点を決めている模様です。5部ですが。また何度か週ごとのベストイレブンにも選ばれています。5部ですが。


バックナンバー
2009 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 /
2008 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2006 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2005 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2004 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2003 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2002 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2001 / / / / / 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

戻る