アドリアン・ムトゥのPKにより、フィンランドとの予選最終戦で価値のある3ポイントを獲得しました。これで望みを繋ぐプレーオフ圏内の2位を保持。あとはチェコが最終戦で勝利を収めなければという他力ではありますが。
アウェーのルーマニアはまだわずかながら本選への可能性が残されていることから積極的に試合を展開していきました。開始から11分、ヤースケライネンに阻まれたが、この日スタメンに名を連ねたマズィルの豪快なヘディングで幕を開けると、コチシュも負けじとバー直撃なるシュートを放ち、攻撃をリードし続け試合をコントロールする。しかし長身CBを揃えるフィンランドのDFラインは高くそびえ立ち、あと一歩が崩せない。それでもルーマニアFWとフィンランドCBの攻防は前半終了前に粘ったルーマニアに軍配が上がることに。
前半41分、マズィルが絶好のパスを受けてエリア内に侵入すると、焦ったGKヤースケライネンが思わずマズィルを倒してしまう。審判は迷わずPKを取り、これをムトゥが右隅に冷静に決めて我慢の先制点がルーマニアに入る。
しかし予選突破の可能性もすでに消滅し、この1発で終わったと思われたフィンランドが後半に入ると一転して攻撃に打って出る。この日中盤のテクニシャンでチームの核であるリトマネンは欠いたフィンランドはロングボールを送り続けてこれに賭けてきた。それでも長身FWを揃えている強みで一気にルーマニア防戦一辺倒になり、キヴを欠いているDFは長身のタマシュを中心として集中力を保ち続け終了の笛を待つだけの苦しい時間が続く。84分にはラゲルブロムの最高のクロスがタイニオに渡り、強烈なシュートを放たれこの日最大のピンチを迎えるもロボンツのファインセーブがわずかなルーマニアの希望の灯を守ったのであった。
これでルーマニアはチェコ戦での勝利を含む4連勝で全日程が終了。同日にチェコがオランダに敗れたため、なんとかチェコを1ポイント差でおさえてプレーオフ枠の2位に上昇しました。これで4日後のフィンランドのホームで行われるチェコが敗れれば文句無く1ポイント上回ったルーマニアの2位が決まりプレーオフ出場決定。もし引き分けでも勝点が並び、当該チーム同士の成績が優先されるため、戦績は1勝1負でこちらも並ぶ。しかし得失点差で1戦目は1-0で敗れたものの、2戦目で2-0と快勝したことがここで生きることになります。