Romanian Soccer Today 2009.6
6月30日 イタリア

  ユベントスも手を差し伸べるタナーセの海外移籍

 アルジェシュ・ピテシュティ所属のルーマニア代表クリスティアン・タナーセはセリエAの強豪ユベントスの新規獲得リストに載っているようです。

 イタリア紙トゥット・スポルトによれば、ユベントスは来期に向けて狙っていたガエターノ・ダゴスティーノの移籍交渉が破談し、リバプールのスペイン代表シャビ・アロンソの獲得も暗礁に乗り上げていることから、現在はルーマニアが誇る新星のタナーセに切り替えたとの報道がなされています。

 しかしながらクラブのアンドレイ・ペネスク会長によれば、タナーセを狙っているのはユベントスだけでなく、UEFAカップ覇者のシャフタル・ドネツクも同様に戦力としてみなしているようです。

 『シャフタル側とは水面下で接触はしています。しかし現在においては公表できる確かなものはありません。もし他にもオファーがあればその中からベストのものを選択することになるでしょう。』

 現在のところ他に噂されている獲得先はフィオレンティーナ、ベシクタシュ、シュツットガルトと言われています。推定移籍金は400万ユーロのようです。
6月10日 ワールド

  2010年W杯 欧州予選グループ7

その他の試合

  
結果
 フェロー諸島 0−2  セルビア


現在のグループ7の戦績
TEAM 得失 勝点 昇降
セルビア 7 6 0 1 15:5 18
フランス 5 3 1 1 7:6 10
リトアニア 7 3 0 4 6:6 9
オーストリア 6 2 1 3 7:9 7
ルーマニア 6 2 1 3 7:10 7
フェロー諸島 5 0 1 4 1:7 1

残り試合
8/12
フェロー諸島 - フランス
9/5(ミッション1)
オーストリア - フェロー諸島
フランス - ルーマニア
9/9(ミッション2)
セルビア - フランス
フェロー諸島 - リトアニア
ルーマニア - オーストリア
10/10(ミッション3)
オーストリア - リトアニア
セルビア - ルーマニア
フランス - フェロー諸島
10/14(ミッション4)
ルーマニア - フェロー諸島
リトアニア - セルビア
フランス - オーストリア

 ではここでルーマニアが予選突破するために言われているわずかな数字的可能性について考察していきたいと思う。まず現在グループ1位のセルビアがすでに18ポイントを稼いでいて、フランスが残り5試合でフェロー諸島との2戦とホームでのオーストリア戦を残していることからプラスの9ポイントは堅いと想定して19ポイント。ということでルーマニアの残り4試合全勝が前提となる。1試合でも引き分ければ17ポイントとなり、この状態で望むならばフランスが勝利確実の3試合から取りこぼすということを願わなくてはならない。フェロー2戦は大量得点で勝つだろうレベルであり、オーストリア戦はアウェーでまさかの敗戦を経験しているからホームでなみなみならぬ気持ちで望むでしょう。よって取りこぼしは無しと仮定したほうが無難。

 前提1:ルーマニアが残り4試合を全勝

 前提1についてはまず確実にミッション4のフェロー戦での3ポイントを加算。ミッション2でのオーストリア戦ももはや楽に勝っておくべき相手。負けるようであればさっぱりと諦めがつくレベルであります。そして最大の難関はアウェーでの上位2チーム、フランスとセルビアに勝てるかということです。フランスはルーマニアと比べて攻撃に分があり、守備に難ありといったところでしょうか。前回本戦で見せたゴイアンとタマシュを中心とした熟成のルーマニアの堅い守備は解体され、現在の守備がそれに勝っているかが勝負の別れどころです。できればミッション4あたりで熟成された現ルーマニアの守備をぶつけたかったのですが、いきなりのミッション1というところが不安視されます。個の能力が大きくものをいってくるでしょう。セルビアは今回においてはフランスより難しいでしょう。バランスのとれたチームでその好調ぶりは成績に現れています。なにせ守備のチームですので、ホームで引き分け狙いが予想される一戦で新生ルーマニアの誇る守備よりも攻撃的にスライドしないと打開はないでしょう。

 前提2:セルビア対フランスで引き分け以外(注:変更前)

 ここで一つ厳しい条件が存在したことが新たに分かりました。本来であれば勝点が並んだ場合は「当該チーム同士での成績、グループリーグでの得失点差、グループリーグでの総得点」という順で優先されていました。しかし今調べてみたところ今回からは「グループリーグでの得失点差、グループリーグでの総得点、当該チームでの成績」という順で優先されるそう。これがルーマニアをさらに苦しめています。もし前回のように当該チームの成績であれば19ポイントのルーマニアに対してこの1戦でフランスが勝った場合、セルビアは3戦でルーマニアとフランスに負けて勝点を伸ばせず、最終戦のアウェーでリトアニアに敗れれば18ポイントのままでルーマニアの進出という可能性(サクセス1)があり、セルビアが勝った場合はフランスはルーマニアとセルビアで勝点を伸ばせずに前述の3戦(フェロー2戦、オーストリア)での9ポイントを加算して19ポイントでルーマニアと並び、当該成績でルーマニアの1勝1分けでの可能性(サクセス2)がありました。ちなみに引き分けだとフランスが20ポイントとなり進出。セルビアは19ポイントで並びます。しかし当該でルーマニアとは五分の成績なので得失点で大きく劣るルーマニアが敗退。しかしフランスとの同勝点作戦のサクセス2はレギュレーションの変更により、得失点でこのグループにおいて大きく劣っているルーマニアは未曾有の大爆発を見せない限り使えなくなりました。勝点で並んだら負けということです。よって前提2はより厳しく変更になります。

 前提2:セルビア対フランスでフランスの勝利(変更後)

 ようするにフランスのフェロー2戦とオーストリアでの9ポイントを取りこぼしを想定しない限り、フランスの22ポイントによる首位を期待しなくてはいけません。取りこぼした場合は引き分けも生きてきますが、この3戦での取りこぼしを期待するのは可能性で言ってここで語る部類には入りませんのでそうしておきます。そして残されたルーマニアの突破の可能性は現在首位を走るセルビアがフランス、ルーマニア、リトアニアの残り3戦を全敗して勝点が結局18ポイントのままということだけなのです。リトアニアに引き分けた場合は前述のように19ポイントで並び、得失点差でセルビアが進出してしまうからです。

 前提3:最終戦でセルビアがリトアニアに破れる

 というような一つのラインしか残されていないということになります。もちろん過去の予選からはルーマニアがアルメニアに引き分けたり、オランダやイングランド他の強豪がグループ最弱のチームに負けたりしたこともありました。今回のこのグループだけでもフランスがオーストリアに敗れるといったアップセットもありました。サッカーは何が起こるかわかりません。しかし可能性で述べれば結果はある程度予測のつく範囲です。逆に言うと残り4戦をルーマニアが全敗というのも可能性です。しかしそうはならないというのも知るところです。今回はありうる範囲での可能性を挙げてみました。ただしルーマニアを愛するがごとくの希望的観測も含まれていることもわかってください。

 9月5日のミッション1:ルーマニアがアウェーでフランスに勝利する
 9月9日のミッション2:フランスがアウェーでセルビアに勝利する
 10月10日のミッション3:ルーマニアがアウェーでセルビアに勝利する
 10月14日のミッション4:リトアニアがホームでセルビアに勝利する


 この日程ごとのミッションが一つずつクリアされた後にルーマニアの奇跡が待っています。

 簡単に言うとルーマニアの4連勝、セルビアの3連敗です。
6月7日 イタリア

  ACミランがムトゥに打診

 所属のブラジル代表カカの移籍が避けられない状況のACミランはその代役としてフィオレンティーナ所属のアドリアン・ムトゥを狙っている模様。

 アンチェロッティ監督がチェルシーに去り、改革がなされるミランにおいてエースのカカは相思相愛でレアル・マドリッドへの移籍が秒読みとされています。攻撃的であり、イタリアでの実績十分な選手としてムトゥは申し分なく、すでにフィオレンティーナも正式なオファーを認めています。しかしまだクラブ間の交渉であり、ムトゥ本人のまでの段階にはいっていないようです。

 またミランはバルセロナとの契約が切れるエトーも戦力候補に入れていることから、他のクラブの動向次第でどう動くかが移籍マーケットで注目されています。いちおうムトゥにはドイツのヴォルフスブルグを始めいくつかのオファーがあるようで、30歳となったムトゥ自身もじっくりと選択する必要があります。
6月6日 

  リトアニア戦後のコメント

 チプリアン・マリカ
 『我々は強いチームになった。とてもハードではあったが、勝利を楽しめる結果につながった。ここまで失ってきたものについては申し訳なく思っている。しかしポジティブに前を見て勝ち続けていきたい。それにはファンに声援が大きな力となる。』

 イオネル・ダンチウレスク
 『我々は侮れない相手に勝利することができた。ラズヴァンの登場によって勝利と成功が同時に訪れたと言ってもいい。さらに代表のためにいろいろ精進してもらいたい。私自身は自分の役割を務めたつもりだ。またチャンスを与えられることを望む。』

 クリスティアン・キヴ
 『我々は勝たなくてはいけないプレッシャーの下で戦い、今までの失態と比べて評価できるものになったのは言うまでもない。まだ数字上希望があるうちは予選突破を信じている。とにかく先を見ていくことしか我々には残されていない。だから今試合は重要だった。ぜひ多くの人と今回の勝利の喜びを分かち合いたい。』

 ティベリウ・ギオアネ
 『チーム全体としてよくプレーできていたと思う。開始直後は難しい部分もあったが、ルーマニア本来の強さが出ていたんじゃないかな。全てはラズヴァンによる影響が大きい。従っていきたいと思える人物だ。』

 ミレル・ラドイ
 『今までの失望はいわばアクシデントだ。今回の新体制でそれが証明できただろう。とても小さいが可能性があるのであればまだ予選突破を強く望む。多くの選手がラズヴァンに対して尊敬の念を持っている。それがこのような結果を生むことができたのだ。』

 ラズヴァン・ルチェスク監督
 『おそらくずっと忘れられない素晴らしい一日となった。神経質なほど勝利にこだわったが、素晴らしい選手たちによって当然の結果がもたらされた。リトアニアはよく組織されたチームではあったが、ルーマニアのプレッシングとテクニックの前ではさほど怖くなかったのも事実である。結果として勝点3をえることができたが、本来の実力であればもっと得点の機会があっても良かったように思える。この点は試合を経るごとに良くなっていくだろう。』
6月6日 マリヤンポレ

  2010年W杯 欧州予選グループ7 第6戦

リトアニア戦

  
当然のメンバーが召集されて、当然のようにルーマニア代表は再生

マリヤンポレ・フットボールクラブ・スタジアム

リトアニア 0 01 1 ルーマニア
00
39 チプリアン・マリカ
ジドルナス・カルセマルスカス
マリウス・スタンケヴィチウス
マリウス・ザリウカス
アルナス・クリマヴィチウス
(84分 ポヴィラス・ルクシス)
アンドリウス・スケルラ
ダルヴィダス・セルナス
デイヴィダス・センベラス
ミンダウガス・カロナス
(64分 サウリウス・ミコリウナス)
リナス・フィリバイティス
(81分 イグナス・デドゥラ)
エドガラス・チェスナウスキス
トマス・ダニレヴィチウス
GKGK
DFDF
DFDF
DFDF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
ダヌーツ・コマン
クリスティアン・サプナル
ミレル・ラドイ
クリスティアン・キヴ
ラズヴァン・ラツ
ユリアン・アポストル
ティベリウ・ギオアネ
(92分 コスティン・ラザール)
ボグダン・マーラ
(73分 ミハイ・ロマン)
クリスティアン・タナーセ
チプリアン・マリカ
(85分 マリウス・ニクラエ)
イオネル・ダンチウレスク
ホセ・クセイロ 監督 ラズヴァン・ルチェスク
4-4-2フォーメーション 4-4-2フォーメーション
警告
リナス・フィリバイティス

エドガラス・チェスナウスキス
アルナス・クリマヴィチウス
15
42
44
55

79

イオネル・ダンチウレスク(1枚目)


ユリアン・アポストル(1枚目)
ベンチ
マンタス・サヴェナス
パウリウス・グリバウスカス
ミンダウガス・パンカ
デイヴィダス・チェスナウスキス
/・ コステル・パンティリモン
オヴィディウ・ダナナエ
ドリン・ゴイアン
ゲオルゲ・ブクル

プレイバック・オブ・ザ・ゲーム

 理にかなった召集が各方面から賞賛をもって迎えられたラズヴァン体制は初戦ながら期待値の高い1戦となった。前監督によって首の皮すら残っていない状況まで落ち込まれたルーマニア代表は数字的にのみ残された本戦への可能性を追うというより、現実的には5位にまで落ちた順位を次の大会の予選組み合わせで有利に進めるために3位でつなぐことが求められた悲しき船出でもある。

 さながら次回の2012年欧州選手権予選のためのテストという図式になった残る5試合は次回予選で通用する若手を育てること、そして初の試みである5位から3位に上げる作業のための即戦力の起用という相反する2つの要素を含んだ難しい状況にラズヴァンが選んだのはギオアネは当たり前として、ダンチウレスクとマーラの攻撃的ベテラン。両者共に国内では好調であるが、代表においてはまさかの復帰というところで通用するかが多く語られた。また若手ではダン・アレクサの怪我の離脱と予想されたラザールよりも練習で好調だと判断したアポストルをスタメンに起用。ベンチからも漏れてスタンド観戦はボルネスク、ネシュ、ガラマズ、コステアとなった。

 試合が開始されると、本来の実力差のとおりにルーマニアが攻勢を仕掛ける。4-4-2フォーメーションもあって両サイドから積極的に展開していく中にあって、特に右サイドのサプナルはマーラが中よりに動くことでウイングの位置まで果敢にオーバーラップを見せてクロスやマリカとのコンビで徐々にチャンスを構築していく。左はラツとタナーセではなく、主に舵を取ったのはギオアネ。タナーセが中盤左でボールをキープするとギオアネは底からのタクト以外にもタナーセの外側を回ってそのまま左ウイングの位置までポジションを上げてクロス。ギオアネのマルチロールの真骨頂が感じられた。

 前線でのパスが外れて相手にボールが渡ったとしてもフィルターとしてさすがの能力を発揮したのはギオアネ。リトアニアがまさに攻勢に移るというタイミングであらかじめ察知していたポジショニングで早めに2度、3度とその芽を摘んでいった。そしてここ最近の課題であったDFラインも現最強のメンツをそろえたルーマニアが安心した守備を見せる。10分のリトアニアのCKにはマーク、ポジショニング共にバランスよく動き、ラドイとキヴのセンターラインは危険度をまったく感じさせない。そしてこの日の新たなサプライズであったアポストルの献身的な動きによって、ギオアネとの堅固なフィルターを避けるべくリトアニアがロングボール作戦に打って出てもセンターのコンビによって難なくボールは弾かれた。

 15分にはアポストルがファウルを受けて試合がしばらく中断。この間すべてを知ってきたかのようなギオアネの神々しい表情と絶えずDFラインに激しい指示を与えるラドイのアップ映像が繰り返し流され、早くもこの日の展開を象徴していた。ここまでですでに安定したルーマニアのポゼッションはリトアニアの34%に対して、66%にまでなった。

 一方、攻撃はというと23分にサプナルとのコンビで右サイドを攻めていたマリカから中央のダンチウレスクにパスが渡り、これが倒されてゴールエリア前でのいい位置でのFK。キヴのキックはわずかにバーをかすめ、27分にはマリカがエリア内で得意のフェイントで相手DFをかわすと続けざまに鋭いシュート。これはポストを直撃してまだ先制点には届かなかった。

 30分になるとFotbal Romanの管理人コンツァ氏から電話が掛かってくる。こちらがネットで集中して観戦中だというのに、居酒屋で飲み会ということでハイテンションのようで絶対的な温度差が生じる。おかげで以後5分間において試合詳細を覚えていない。まったく空気が読めない人だと思った。以後気をつけていただきたいものだ。(5秒後、謝罪により仲直り)

 35分には攻めている状態でラツの力のない不要なショートパスのミスによって一気にカウンターをくらう。キヴがなんとかCKへ逃れて、蹴られたクロスはサプナルが弾き、リトアニアに渡ってしまう。しかしこの日キヴの存在が薄れるぐらいのDFリーダーと化したラドイの激昂の指示が飛ぶエリア内はマークが徹底され、ギオアネのファーサイドのケアで楽々とコマンがキャッチし、一連のピンチからルーマニアDF陣の充実が見れた。

 38分になるとここまで最後の一歩までいかなかった攻撃陣が奮起。ダンチウレスクと共に目立っていなかったマーラのパスはリトアニアDF3人が目の前に陣取るエリア外正面のマリカへ渡ると、いたずらにキープせずに思い切り振りぬいた鋭いシュートがゴール隅に鮮やかに決まり先制。前半終了直前にもサプナルのクロスからマリカのポスト直撃弾、マーラとマリカのコンビから一気にDFラインを抜け出したダンチウレスクへの相手GKとの1対1はオフサイドと惜しい場面が作られた(しかしオフサイドとわかる前のダンチウレスクのシュートが豪快に大きく外れていたことはこの日の沈黙と合わせて代表には厳しいか)。

 後半が開始すると前述のFotbal Romanの管理人コンツァ氏が帰宅ということでチャットに参戦。前半を見ていないということから選手ごとの前半の総評を求めてくる始末。11選手の私なりの評価をずっと思い出しながらチャットに書き込みしていたために、以後15分間において試合詳細を覚えていない。まったく空気が読めない人だと思った。以後気をつけていただきたいものだ。(5秒後、絶交)

 結局はこの日の勢力図は変わらず。堅いDFライン以上に試合を通して目立ったのは2人の守備的MFだろう。ギオアネ以上に目立ったのはラザールを差し置いて代表デビューを飾ったアポストル。とにかくその運動量で守備では食らいつき、攻撃でも転じて不調のマーラに代わって積極的にドリブルを仕掛けていたのが印象的だった。またボールに対してチャージするアポストルに対してギオアネはそのおこぼれと言うか前もっての予測のポジション取りによって冷静に攻撃の芽を摘んでいった。二人の補完性は十分なものだった。これにコドレア、ラザール他がそろっているこのポジションにわざわざラドイを持ってくる必要性もないものに思え、キヴとラドイのセンターも磐石になったことだろう。

 しかしここまで守備の部分では安心して見れるものの、コマ不足からわざわざ復帰させたマーラとダンチウレスクは前半には試合から姿を消して、ボールが渡り始めた後半60分過ぎにはそのスピードと反応の遅さで攻撃のテンポは止まっていった。残念ながらリトアニアごときにこのプレー内容で2人のテストは終わったものかもしれない。一方、マリカも格下相手にテクニックにおぼれてボールを持ち過ぎる傾向になり(不調の2人がいるため個人技に頼らざる状況かもしれないが)、リトアニアと言えど一定の守備力に追加点は奪えなかった。

 0-1というスコアではあったが、絶対的守備力の構築があったことで失点の恐怖はほぼなくなったことが大きい。安心して見られた試合だった。アポストルのサプライズに続いて交代で入ったロマンもマーラとの比較で良く見えたという部分を引いても、アグレッシブに評価できるプレー内容だった。もう一つの隠れたサプライズではラドイの適切かつ激しいリーダーシップの指示はセットプレーやスローインの場面ですらそのつど画面に映し出され、キヴの存在が消えていた。もちろんキヴも相応のプレーをしていたが、どっしりと構えたラドイがキヴを精力的に動かしてまとめていたようにも見えた異様な光景だったことも付け加えておく。

クラブで不振も代表は別の顔

その他の結果
 セルビア 1−0  オーストリア


現在のグループ7の戦績
TEAM 得失 勝点 昇降
セルビア 6 5 0 1 13:5 15
フランス 5 3 1 1 7:6 10
リトアニア 7 3 0 4 6:6 9
オーストリア 6 2 1 3 7:9 7
ルーマニア 6 2 1 3 7:10 7
フェロー諸島 4 0 1 3 1:5 1

 今日のこのメンツは1戦目から集めようと思えば集められたメンバーであり、監督の召集構想次第ではこうもレベルは変わるものというはっきりとした結果になりました。そもそも過去のとおり、普通に集めて勝手に選手達に試合をやらせたとしてもリトアニアごときには負けないのがルーマニアなのです。リトアニア、フェロー、フランスの後に解任できてれば勝負のセルビア、オーストリア2戦での結果、及び順位も違ったことでしょう。

6月3日 ブカレスト

  ラズヴァン支持の包囲網

 新監督の就任、そして初召集ラインナップをおいても各方面から賞賛の声が聞かれるラズヴァン体制がスタートしました。ここでやたら強引なハジ新監督推挙により以前の「正義の人」というイメージから、「ただ単に黄金期に始まる身内のことしか考えていないレジェンド」とも思いたくなる存在になりつつあったゲオルゲ・ポペスクからも支持の言葉が届いております。

 『ラズヴァンはとても重要かつ、正しい選択をやってのけた。所属するクラブで貢献しながら代表から遠ざけられていた選手を復帰させると共に新しい息吹を吹き込んで新しい方向性を示した。これは当然なされるべき至極当たり前のことだが、長らくルーマニア代表に欠けていたことでもある。そして勇気を持って、以前から論争の対象となりうる能力値でありながら庇護を受けていた選手を構想外とした。またルーマニア代表は今予選においてあまりに多くのゴールを許した。以前の予選と比べて信じられないことだ。現在の代表において最大の問題はディフェンスにあるというのはすでに明らかなことである。その点でもすでに良い判断をしていると思われる。』とポペスクはTelesportのインタビューに答えています。

 庇護を受けていたと書かれていたのはディカ、コチシュ、コドレア、ニコリツァですが、もっと多く存在するのは広く知られているところでしょう。しかしディカは当時の能力からは召集は妥当だったし、能力としては3選手もそれなりに相応してたものもあります。非難される点は、コチシュはスタメンで使い続けたこと、ポジションを下げさせたこと。コドレアについてはラザール、アレクサと競争させなかったこと、ましてやギオアネを呼ばなかったことが間接的にコドレアの存在にケチをつけることに。ニコリツァについては守備的と決め付けてあのエネルギッシュな能力を攻撃に生かさなかったことが挙げられるでしょう。よってこれから次第で再選もありうるということです。ちなみに今回のコドレアはいちおう負傷中ということも付け加えておきます。コントラ、F・ペトレ、タマシュについては懐かしいですね。
6月1日 ブカレスト

  2010年W杯欧州予選 第6試合リトアニア戦

国内メンバー発表

  
 ルーマニア代表のラズヴァン・ルチェスク監督は来月6日に控えた初陣となる2010年W杯欧州予選リトアニア戦の国内メンバーを発表しました。ガゼタで予想されていたメンツからはDFのオガラル、マフテイ、ラトフレビッチ、タマシュが落ち、MFでコステアとアポストルが召集されました。

 まず現戦力値、将来性共に代表レベルではなくなったオガラルを妥協なくカット。ユーロ本戦以降、あれよあれよと急下降したタマシュも当然のようにカット。過去にとらわれず現在、そして将来を見据えたビジョンを有するラズヴァンらしい判断でした。前監督には到底できないであろう説明不要の納得のいく決断はそれだけで将来は明るいものと言えます。偏りの信念で起用し続けられた右サイドも刷新され、実力はあるのにかつて中国に渡ったというだけで代表クラスの実力を披露するチャンスを与えられなかったアレクサとダンチウレスクも復帰。コステアは召集されたようですが、得点ランクトップだし、しょうがないですね。ムトゥ不在の恩恵とも思いますが、これで贔屓なく構想に入れていくかを判断するワンチャンスでしょうか。

 とにかく言えるのは指揮官の「なんか気にいらないから」的な私利私欲はまったくといって感じられず、逆に贔屓されている感も存在しない清廉潔白なイメージの代表が構築されていますね。これってじつは当たり前のことだったんですよね。前指揮官のやり方に変に慣れてしまったことで今回は希望が見れているような錯覚ですが、要するに長らくルーマニア代表はユーロ出場というスケープゴートでぼかされていましたが、召集段階ですら論争が起きてしまうような暗にネガティブな集団であったのではないでしょうか。

 また今回感じたのは、ブレがないこと。前発表の海外組からは落選がいません。今までは2段階的な発表で「外されるのはカズ、三浦カズ」みたいな選手にとっては至極ショックのようなこともありません。ラズヴァンのように当然ながらの方法であれば、選手も代表に不穏なイメージも持たないことでしょう。ようやく「不可解な判断、説明なし」から、「妥当な決断、説明せずとも納得」の改革が行われようとしています。


 GK  所属 生年月日 CAP
 ダヌーツ・コマン  FCブラショフ 1979.03.28 (30歳) 9/0
 コステル・パンティリモン  FCティミショアラ 1987.02.01 (22歳) 2/0
 ミルチェア・ボルネスク  ウニベルシタテア・クライオバ 1980.05.03 (29歳) 0/0
 DF
 クリスティアン・キヴ  インテル(ITA) 1980.10.26 (28歳) 63/3
 ラズヴァン・ラツ  シャフタル・ドネツク(UKR) 1981.05.26 (28歳) 56/1
 ミレル・ラドイ  アル・ヒラル(S.A) 1981.03.22 (28歳) 52/1
 ミハイツァ・ネシュ  ユトレヒト(NED) 1983.02.19 (26歳) 6/0
 クリスティアン・サプナル  FCポルト(POR) 1984.04.05 (25歳) 3/0
 ドリン・ゴイアン  ステアウア・ブカレスト 1980.12.12 (28歳) 27/5
 ジョルジェ・ガラマズ  ウニレア・ウルジチェニ 1981.04.05 (28歳) 0/0
 オヴィディウ・ダナナエ  ウニベルシタテア・クライオバ 1985.08.26 (23歳) 0/0
 MF
 ティベリウ・ギオアネ  ディナモ・キエフ(UKR) 1981.06.18 (26歳) 11/1
 ボグダン・マーラ  CFRクルージュ 1977.09.29 (30歳) 7/2
 コスティン・ラザール  ラピド・ブカレスト 1981.04.24 (28歳) 7/0
 フローリン・コステア  ウニベルシタテア・クライオバ 1985.05.16 (24歳) 6/0
 クリスティアン・タナーセ  アルジェシュ・ピテシュティ 1987.02.18 (22歳) 3/1
 ダン・アレクサ  FCティミショアラ 1979.10.28 (29歳) 1/0
 ユリアン・アポストル  ウニレア・ウルジチェニ 1980.12.03 (28歳) 0/0
 ミハイ・ロマン  FCブラショフ 1984.11.16 (24歳) 0/0
 FW
 チプリアン・マリカ  シュツットガルト(GER) 1985.10.02 (23歳) 31/11
 マリウス・ニクラエ  ディナモ・ブカレスト 1981.05.16 (28歳) 35/13
 ゲオルゲ・ブクル  FCティミショアラ 1980.04.08 (29歳) 13/2
 イオネル・ダンチウレスク  ディナモ・ブカレスト 1976.12.06 (32歳) 6/2



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