Romanian Soccer Today 2008.2
2月25日 イタリア

  ムトゥが1ヵ月の離脱

 フィオレンティーナ所属のルーマニア代表FWアドリアン・ムトゥがひざの怪我で約1ヵ月間、戦列を離れることになり、エバートンとのUEFAカップ決勝トーナメント2回戦を欠場することが決定。また3月26日に行なわれる国際親善試合ロシア戦への出場が現時点では微妙な状況になりました。

 ムトゥは24日に行われたセリエAのASローマ戦で前半の40分、メクセスがオフサイドトラップを誤り、ムトゥが決定的なチャンスを迎えましたが、GKドニをかわそうとしたところで衝突。このプレーでムトゥは負傷退場し、試合後にひざの側副靭帯を痛めたことが判明し、2週間の安静と後のリハビリを含めて4週間は戦列復帰が見込めない様子。

 2007年のルーマニア年間最優秀選手にも選ばれたムトゥは今季のリーグ戦で21試合に出場し、得点ランキング3位となる14点を記録。UEFAカップでも3得点を挙げているなど好調を維持。クラブもそのムトゥに牽引される形でチャンピオンズリーグ出場枠の4位を保持。しかしACミランがその4位のポジションを狙って猛追をかけており、厳しい事情でのムトゥ離脱はとてつもなく大きいと予想されています。代表においてはようやく得た欧州選手権本選まではまだ時間があるのが不幸中の幸いで、心配されることは怪我するまでの絶好調のコンディションを回復後も継続できるかということぐらいです。
2月23日 スペイン

  父に捧げるゴール

 現地時間21日に行なわれたUEFAカップ決勝トーナメント1回戦セカンドレグで、AEKアテネを3-0で下して次ラウンド進出を決めたヘタフェ。この試合でチームの2点目を記録したルーマニア代表DFコスミン・コントラを、試合直前にある悲しみが襲っていました。

 『今朝4時に父が死んだことを聞いた。どうしたらいいか分からなかった…。プレーしないでルーマニアに帰ろうかとも思ったけど、父は僕のプレーを見ることが何より好きだったから。だから残ろうと決めた。』記者陣に対して試合後に溢れる悲しみを抑えるように話した。

 32歳のベテランDFはまた、『自分がほんの小さなころから、父は全部の試合に付いてきてくれてね。いつも僕を支えてくれていたんだ。そんな父に捧げたかったから、PKを蹴らせて欲しいと頼んだ。』とPK時のエピソードを明かし、父親との思い出を振り返りながら、悲しみを乗り越えてつかんだ勝利の余韻を噛み締めている様子だった。

 試合は後半1分に右サイドのコントラからのクロスにグラネロが合わせてヘタフェが先制し、後半37分にはコントラのPK。その2分後には中盤底からのロングボールを2点目を狙っていたコントラがエリア内絶好のポジションでトラップしてGKと1対1になるも、そのトラップしたボールが本人も予想外に大きく弾いて中央で待っていたブラウリオに渡り3点目。しかしアシストがついてこの日は1得点2アシストの活躍となりました。
2月9日 スコットランド

  M・ニクラエの諦めきれない夢

 スコットランドリーグ、インヴァーネス所属の元ルーマニア代表FWマリウス・ニクラエは召集の可能性があったイスラエル戦に結局は選ばれませんでしたが、これからも代表復帰を目指してリーグで成績を残していくことを誓いました。

 『まだ監督が誰を召集するかを判断しただけです。私はこれからもクラブのために尽くしていきますし、将来は再び代表に選ばれることを望んでいます。チャンスを全て失ったとは思っていません。人事を尽くして天命を待つしかないようです。』

 ニクラエは2006年5月のコロンビア戦以来、ケガの連続で召集されていませんが、最近のクラブでの復調で代表監督のピツルカも召集リストに載せていると公言しています。

 『もし代表に召集されることがあれば、素晴らしいことでしょう。実際に監督はヨーロッパで活躍する全ての選手には門戸は開かれていると認めています。まだわずかながら私にも時間は残されているでしょう。しかし代表には各国で活躍している有能なFWが多くいることも事実なので、さらなる努力が必要なのも知っています。』
2月6日 テル・アヴィヴ

  国際親善試合

イスラエル戦

  
本選までの3戦しかない大事なテストマッチ第1弾。しかし何を得たのだろうか。当落選上のテストとしての新戦力投入も時間なし。F・ペトレを見限り、ディカとO・ペトレをベンチ決定というテストだったのか。

ラマト・ガン・スタジアム
イスラエル 1 10 0 ルーマニア
00
O・ゴラン 25
ドゥドゥ・アワト
(46分 ニル・ダヴィドヴィッチ)
ヨアヴ・ジヴ
タル・ベン・ハイム
(46分 シモン・ゲルション)
アヴィ・ストロール
(68分 クレミ・サバン)
デディ・ベン・ダヤン
モシェ・オハヨン
(67分 ラヴィド・ガザル)
バラク・イツハキ
(46分 アミト・ベン・シュシャン)
ヨッシ・ベナユン
タミル・コーエン
エリャニヴ・バルダ
オメル・ゴラン
(60分 アヴィラム・バルチアン)
GKGK
DFDF
DFDF
DFDF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
MFMF
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW
FWFW

FWFW
FWFW
ボグダン・ロボンツ
コスミン・コントラ
(87分 ジョルジェ・オガラル)
ガブリエル・タマシュ
(91分 コスミン・モツィ)
ドリン・ゴイアン
シュテファン・ラドゥ
(91分 ミハイ・ネシュ)
オヴィディウ・ペトレ
(23分 一発退場)
クリスティアン・キヴ
バネル・ニコリツァ
(46分 フローレンティン・ペトレ)
(84分 ゲオルゲ・ブクル)
ラズヴァン・コチシュ
アドリアン・ムトゥ
チプリアン・マリカ
(46分 ニコラエ・ディカ)
ドゥロル・カシュタン 監督 ヴィクトル・ピツルカ
4-4-2フォーメーション 4-2-3-1フォーメーション
警告

ヨアヴ・ジヴ
タミル・コーエン
23
39
93
オヴィディウ・ペトレ(レッドカード)
ベンチ
エヤル・メシュマル ダヌーツ・コマン
パウル・コドレア
ヨヌーツ・マズィル


プレイバック・オブ・ザ・ゲーム

 本選に向けた大事なテストマッチとなったルーマニアはラツとコドレアが抜けてはいましたが、熟成路線でここまで成長してきた強みで、格下と思われるホームのイスラエル相手に序盤から攻勢に展開。特にトップ下のポジションのコチシュが積極的にドリブル、シュートと好調をアピールし、エースのムトゥもスキルフルなステップで続けざまにシュートを打って出ていき、イスラエルのDFラインを後方に押し込む。シュートのほとんどがイスラエルゴールのバーに当って弾かれるといった不運が続きはしたものの、じきに結果が出ることは容易に予想されました。しかし意外なことから簡単に試合は急展開していくことに。

 前半23分に、この日コドレアに代わってスタメンのチャンスを得ていたオヴィディウ・ペトレがイスラエルのタミル・コーエンのファウルを受けた後に報復行為で一発レッドカードをくらい、ルーマニアは長く残された時間を1人少ない10人で戦うことになってしまいました。これで微妙にシステムにずれが生じたルーマニアはこのFKをCKに逃れたものの、このイスラエルの右サイドのCKを中央の密集地帯でコーエンに競り負けて、ファーサイドに落とされたボールはゴイアンがフリーにしてしまったイスラエルFWのオメル・ゴランの元に。そのまま難なく押し込まれて一気に先制点を奪われる。

 前半のうちに追いつきたいルーマニアは攻勢にでるが、この日のマリカがブレーキ。まったくもってボールにからめないマリカとニコリツァの守備範囲が広くなってしまったことから中盤のポゼッションの取り合いでそのまま前半を終えてしまった。

 後半に入るとハーフタイムのミーティングで冷静を取り戻したのか、ルーマニアはいきなり何度も決定機を作り出していった。51分には左サイドから右サイドへポジションチェンジしたムトゥがコーナー付近でDFに囲まれながらも、得意の切り返しでDFを振り切り絶妙なクロスを上げる。ややファーサイドよりに構えていたどフリーのディカが落ち着いて直立ヘディングでコースを狙ったが、どこを狙っていたのか右方向に逸れていった。これでこの日最大のチャンスは簡単に消え去ってしまった。

 55分には中盤でのムトゥのパスカットからコチシュがドリブルで快足を飛ばしてゴール前まで突進すると、DFのマークが外れたディカに渡る決定的チャンス。しかしシュートは一瞬早く反応したDFが出した足に当たりはるかバーの上を越えていった。その1分後には遠くDFからの超ロングパスを走りながらムトゥがうまくトラップするが、これも2人のDFの寄せでシュートは打てず。一転して57分、カウンターから逆襲を受けて2-0が頭をよぎるほどのイスラエル好機が訪れるも、これはロボンツがいつもの神がかりな反応速度で伸ばした足のつま先に当ててギリギリポスト横を通り過ぎていった。超ファインセーブ。

 それでも後半の半分が過ぎる頃にはどちらが一人少ないかわからないほどの中盤の激しいボールの奪い合いが続く。ただ前線へのボールの供給はすべて中途半端でましな決定機は一度も作れなかった。目だったのはディカが今まで一度も見たことが無いほどの不調ぶり。下がっての簡単なボールさばきがメインで、攻撃にほとんど顔を出さず、ごくたまに出しても動きが鈍くて攻撃陣からは浮いていた。左からのラドゥのオーバーラップと中盤底で抜群のキープ力を誇っていたキヴがドリブルでしかけてコチシュとのワンツーから何度もファウルを誘いFKのチャンスを得ていた方が印象的だった。しかしこの日何度も獲得した絶好ポジションからのFKはムトゥ、キヴ共にことごとくバーはるか上にふかしていたことを今日の不調を顕著に表していました。

 そして全体的なところではルーマニアの右サイド。前半に守備に追われたニコリツァから攻撃的スタイルのF・ペトレにチェンジするもまったくと言っていいほどアピールできず、屈辱の途中出場、途中交代を言い渡されたペトレにはピツルカ監督の見限りにも似た印象がありました。コントラもクロスの正確性は無かったし、そのドリブルももはやDFを抜けるものではなく、たびたび裏を突かれてファウルまがいのプレーでなんとか危機は逃れるのが精一杯でした。

 途中出場で入った選手もアピールできる十分な時間はなく、テストにもなっていなかった。せめて召集を続けている国内リーグの点取り屋ブクルにはスタメンとは言わないまでも後半開始から投入するぐらいの覚悟が欲しかったように思いました。この敗戦から何を学ぶのでしょうか。絶対的CFの確立とペトレコンビの降格人事でしょうかね。

ここが分岐点になりそうなペトレのマイナス評価

2月3日 ブカレスト

  国際親善試合:イスラエル戦

国内メンバー発表

  
 ルーマニア代表監督ヴィクトル・ピツルカは今月6日にテル・アヴィヴで行われるイスラエルとの国際親善試合の国内メンバーを発表しました。この試合は来る6月の本選メンバー構想の第1弾と目されているため、特にベンチメンバーに誰を入れてくるのかが焦点となっていましたが、さすがは熟成路線を取っているピツルカは予選で貢献した選手を多く召集しています。ただレギュラーから左サイドのラズヴァン・ラツとFWのダニエル・ニクラエが外れています。共に先週のリーグ戦でかかとを痛めたために大事をとっての辞退みたいです。こちらは新しく海外組となり、今回はクラブへの集中のため控えていたヨヌーツ・マジルとシュテファン・ラドゥがそれぞれ代替として選ばれています。

 『この1戦は我々にとって重要なテストマッチであり、とてもタフな試合になるでしょう。イスラエルは非常にスキルフルな選手が揃っており、予選でも4位で敗退しましたが、クロアチア、ロシア、イングランドと同居したグループで2位突破したロシアとは1ポイント差、3位のイングランドとは得失点差の勝負になっていましたからね。選手たちにはぜひ予選での立派な戦い方を忘れて欲しくない。そして試合前にこれ以上のケガ人を出して欲しくないですね。』

 また今回はディナモでシュテファン・ラドゥと若き不動のCBコンビとして知られているコスミン・モツィが初召集されています。左サイドの控えとしてネシュも選ばれてますが、この選手はかつて2度の代表チャンスをミスで失っています。この2人が当落選上のテストと言えます。そして前回の最終予選からペトレ・マリンが外されていることから、予想どおり本選メンバーにはケガ人が出ない限り可能性はなくなったと言えるのでは。


 GK  所属 生年月日 CAP
 ボグダン・ロボンツ  ディナモ・ブカレスト 1978.01.18 (30歳) 61/0
 ダヌーツ・コマン  ラピド・ブカレスト 1979.03.28 (28歳) 9/0
 DF
 コスミン・コントラ  ヘタフェ(SPA) 1975.12.15 (32歳) 60/7
 ガブリエル・タマシュ  オセール(FRA) 1983.11.09 (24歳) 29/2
 シュテファン・ラドゥ  ラツィオ(ITA) 1986.10.22 (21歳) 6/0
 ジョルジェ・オガラル  アヤックス(NET) 1980.02.03 (28歳) 5/0
 ドリン・ゴイアン  ステアウア・ブカレスト 1980.12.12 (27歳) 17/3
 ミハイ・ネシュ  ステアウア・ブカレスト 1983.02.19 (24歳) 3/0
 コスミン・モツィ  ディナモ・ブカレスト 1984.12.03 (23歳) 0/0
 MF
 クリスティアン・キヴ  インテル(ITA) 1980.10.26 (26歳) 56/3
 フローレンティン・ペトレ  CSKAソフィア(BUL) 1976.01.15 (32歳) 47/5
 パウル・コドレア  シエナ(ITA) 1981.04.04 (26歳) 32/1
 ラズヴァン・コチシュ  ロコモティヴ・モスクワ(RUS) 1983.02.19 (24歳) 18/1
 ニコラエ・ディカ  ステアウア・ブカレスト 1980.05.09 (27歳) 22/6
 オヴィディウ・ペトレ  ステアウア・ブカレスト 1982.03.22 (25歳) 20/1
 バネル・ニコリツァ  ステアウア・ブカレスト 1985.01.07 (23歳) 17/1
 FW
 アドリアン・ムトゥ  フィオレンティーナ(ITA) 1979.01.08 (29歳) 58/27
 チプリアン・マリカ  シュツットガルト(GER) 1985.10.02 (22歳) 21/7
 ヨヌーツ・マズィル  ドニプロ(UKR) 1982.02.09 (25歳) 10/2
 ゲオルゲ・ブクル  ポリ・ティミショアラ 1980.04.08 (27歳) 7/2



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