Romania National Team
本選登録メンバー | ||||||||
NO | ポジ | 名前 | NAME | 歳 | 生年月日 | 出場−得点 | 所属クラブ | Roster |
1 | GK | シルビゥ・ルング | Silviu Lung | 34 | 56/09/09 | 4-0 | ステアウア・ブカレスト | 1st team |
2 | DF | ミルチェア・レドニク | Mircea Rednic | 28 | 62/04/09 | 4-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
3 | DF | ミカエル・クライン | Michael Klein | 31 | 59/10/10 | 4-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
4 | DF | ヨアン・アンドネ | Ioan Andone | 30 | 60/03/15 | 4-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
5 | MF | ヨシフ・ロタリウ | Iosif Rotariu | 28 | 62/09/27 | 4-0 | ステアウア・ブカレスト | 1st team |
6 | DF | ゲオルゲ・ポペスク | Gheorghe Popescu | 23 | 67/10/09 | 4-0 | ウニベルシタテア・クライオバ | 1st team |
7 | FW | マリウス・ラカトシュ | Marius Lacatus | 26 | 64/04/05 | 3-2 | ステアウア・ブカレスト | 1st team |
8 | MF | ヨアン・サバウ | Ioan Sabau | 22 | 68/02/12 | 4-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
9 | MF | ロディオン・カマタル | Rodion Camataru | 32 | 58/06/22 | 0-0 | シャルルロワ | cover |
10 | MF | ゲオルゲ・ハジ | Gheorghe Hagi | 25 | 65/02/05 | 3-0 | ステアウア・ブカレスト | 1st team |
11 | MF | ダヌーツ・ルプ | Danut Lupu | 23 | 67/02/27 | 2-0 | ディナモ・ブカレスト | 2nd team |
12 | GK | ボグダン・ステレア | Bogdan Stelea | 23 | 67/12/05 | 0-0 | ディナモ・ブカレスト | 2nd team |
13 | DF | アドリアン・ポペスク | Adrian Popescu | 30 | 60/07/26 | 0-0 | ウニベルシタテア・クライオバ | cover |
14 | FW | フローリン・ラドチョウ | Florin Raducioiu | 20 | 70/03/17 | 3-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
15 | MF | ドリン・マテウツ | Dorin Mateut | 25 | 65/08/05 | 1-0 | ディナモ・ブカレスト | 2nd team |
16 | MF | ダニエル・ティモフテ | Daniel Timofte | 23 | 67/10/01 | 3-0 | ディナモ・ブカレスト | 2nd team |
17 | FW | イリエ・ドゥミトレスク | Ilie Dumitrescu | 21 | 69/01/06 | 2-0 | ステアウア・ブカレスト | 2nd team |
18 | FW | ガブリル・バリント | Gabril Balint | 27 | 63/01/03 | 4-2 | ステアウア・ブカレスト | 2nd team |
19 | MF | エミール・サンドイ | Emil Sandoi | 25 | 65/03/01 | 0-0 | ウニベルシタテア・クライオバ | cover |
20 | MF | ゾルト・ムズナイ | Zsolt Muznay | 25 | 65/06/20 | 0-0 | ステアウア・ブカレスト | cover |
21 | DF | ヨヌーツ・ルペスク | Ionut Lupescu | 23 | 67/12/09 | 3-0 | ディナモ・ブカレスト | 1st team |
22 | GK | ゲオルゲ・リリアック | Gheorghe Liliac | 31 | 59/04/22 | 0-0 | ペトロルル・プロイエシュティ | cover |
大会出場主要メンバー | |||||||||||||||||||
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・ | |||||||||||||||
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・ | ・ | ・ |
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欧州予選グループ1 第1試合
1988年10月19日 ソフィア ブルガリア 1 1−1 3 ルーマニア 0−2 ・ 得点 ・
C・コレフ
21
32
79
89D.マテウツ
R・カマタル
R・カマタルボリスラフ・ミハイロフ
プラネム・ニコロフ
ニコライ・イリエフ
ザプリアン・ラコフ
ディミタール・ヴァセフ
(54分 イリヤン・キリアコフ)
アニヨ・サドコフ
ゲルグイ・ヨルダノフ
プラメン・ゲトフ
フリスト・ストイチコフ
ペタル・アレクサンドロフ
(32分 クリスト・コレフ)
リュボスラフ・ペネフGK
DF
MF
FWシルビゥ・ルング
シュテファン・ヨヴァン
ヨアン・アンドネ
ミオドラグ・ベロデディチ
ヨシフ・ロタリウ
ゲオルゲ・ポペスク
ヨアン・サバウ
ドリン・マテウツ
(86分 ミカエル・クライン)
ゲオルゲ・ハジ
マリウス・ラカトシュ
(56分 クラウディウ・ヴァイシュコヴィッチ)
ロディオン・カマタル
1988年10月19日 ギリシャ vs デンマーク 1-1
TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 ルーマニア 1 1 0 0 3:1 2 デンマーク 1 0 1 0 1:1 1 ギリシャ 1 0 1 0 1:1 1 ブルガリア 1 0 0 1 1:3 0
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欧州予選グループ1 第2試合
1988年11月2日 ブカレスト ルーマニア 3 2−0 0 ギリシャ 1−0 ・ 得点 ・ D・マテウツ
G・ハジ
I・サバウ26
40
84シルビゥ・ルング
シュテファン・ヨヴァン
ヨアン・アンドネ
ミオドラグ・ベロデディチ
ヨシフ・ロタリウ
ゲオルゲ・ポペスク
ヨアン・サバウ
(86分 ミカエル・クライン)
ドリン・マテウツ
ゲオルゲ・ハジ
マリウス・ラカトシュ
(78分 クラウディウ・ヴァイシュコヴィッチ)
ロディオン・カマタルGK
DF
MF
FWイリアス・タリクリアディス
ヤコヴォス・カジアサナシオウ
コスタス・コロミトルシス
ステリオス・マノラス
コスタス・マヴリディス
ヨティス・ツァルヒディス
ディミトリス・サラヴァコス
アンドレアス・ボノヴァス
ニコス・アナストプロス
タソス・ミトロプロス
(46分 ゲオルギオス・クツラス)
ニコス・ツィアンタキス
(68分 ニコス・ニオプリアス)
1988年11月2日 デンマーク vs ブルガリア 1-1
TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 ルーマニア 2 2 0 0 6:1 4 デンマーク 2 0 2 0 2:2 2 ブルガリア 2 0 1 1 2:4 1 ギリシャ 2 0 1 1 1:4 1
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欧州予選グループ1 第3試合
1989年4月26日 アテネ ギリシャ 0 0−0 0 ルーマニア 0−0 ・ 得点 ・ なし スピロス・イコノモプロス
ストラトス・アポストラキス
ステリオス・マノラス
コスタス・マヴリディス
ヤコボス・カジアサナシオウ
ヨティス・ツァルヒディス
ゲオルギオス・パパドプロス
(66分 アンドレアス・ボノヴァス)
イリアス・サヴィディス
ニコス・ツィアンタキス
ディミトリス・サラヴァコス
ヤニス・サマラスGK
DF
MF
FWシルビゥ・ルング
シュテファン・ヨヴァン
アドリアン・ブンベスク
ミルチェア・レドニク
ミカエル・クライン
ゲオルゲ・ポペスク
ヨヌーツ・ルペスク
(79分 イリエ・ドゥミトレスク)
ヨアン・サバウ
ドリン・マテウツ
ゲオルゲ・ハジ
ロディオン・カマタル
(89分 クラウディウ・ヴァイスコヴィッチ)
1989年4月26日 ブルガリア vs デンマーク 0-2
TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 ルーマニア 3 2 1 0 6:1 5 デンマーク 3 1 2 0 4:2 4 ギリシャ 3 0 2 1 1:4 2 ブルガリア 3 0 1 2 2:6 1
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欧州予選グループ1 第4試合
1989年5月17日 ブカレスト ルーマニア 1 1−0 0 ブルガリア 0−0 ・ 得点 ・ G・ポペスク 35 ボグダン・ステレア
シュテファン・ヨヴァン
アドリアン・ブンベスク
ミルチェア・レドニク
ヨシフ・ロタリウ
ゲオルゲ・ポペスク
ヨアン・サバウ
(83分 イリエ・ドゥミトレスク)
ドリン・マテウツ
(64分 ミカエル・クライン)
ゲオルゲ・ハジ
マリウス・ラカトシュ
ロディオン・カマタルGK
DF
MF
FWイリヤ・ヴァロフ
(46分 ニコライ・ドネフ)
パヴェル・ドチェフ
トリフォン・イワノフ
ディミタール・ムラデノフ
ディミタール・ヴァセフ
クラジミール・バカロフ
ヴァシル・ティンチェフ
クラジミール・バラコフ
ストイコ・ムラデノフ
エミール・コスタディノフ
フリスト・ストイチコフ
1989年5月17日 デンマーク vs ギリシャ 7-1
TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 ルーマニア 4 3 1 0 7:1 7 デンマーク 4 2 2 0 11:3 6 ギリシャ 4 0 2 2 2:11 2 ブルガリア 4 0 1 3 2:7 1
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欧州予選グループ1 第5試合
1989年10月11日 コペンハーゲン デンマーク 3 2−0 0 ルーマニア 1−0 ・ 得点 ・ K・ニールセン
B・ラウドルップ
F・ポウルセン4
21
84ペーター・シュマイケル
ヨン・シヴェバエク
ラルス・オルセン
イヴァン・ニールセン
(46分 ヨン・ラーセン)
ヤン・ハインツェ
ヨン・イェンセン
ケント・ニールセン
ミカエル・ラウドルップ
ヤン・バートラム
フレミング・ポウルセン
ブライアン・ラウドルップGK
DF
MF
FWシルビゥ・ルング
シュテファン・ヨヴァン
ミルチェア・レドニク
ヨアン・アンドネ
ミカエル・クライン
ヨアン・サバウ
(64分 ダヌーツ・ルプ)
ゲオルゲ・ポペスク
ヨシフ・ロタリウ
ドリン・マテウツ
ロディオン・カマタル
ゲオルゲ・ハジ
1989年10月11日 ブルガリア vs ギリシャ 4-0
TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 デンマーク 5 3 2 0 14:3 8 ルーマニア 5 3 1 1 7:4 7 ブルガリア 5 1 1 3 6:7 3 ギリシャ 5 0 2 3 2:15 2
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欧州予選グループ1 第6試合
1989年11月15日 ブカレスト ルーマニア 3 2−1 1 デンマーク 1−0 ・ 得点 ・
G・バリント
I・サバウ
G・バリント6
26
38
61F・ポウルセン
シルビゥ・ルング
ダン・ペトレスク
ヨアン・アンドネ
シュテファン・ヨヴァン
ヨシフ・ロタリウ
ヨアン・サバウ
ゲオルゲ・ポペスク
ダヌーツ・ルプ
ゲオルゲ・ハジ
(61分 退場)
マリウス・ラカトシュ
(76分 ドリン・マテウツ)
ガブリル・バリント
(86分 ニコラエ・ウングレアヌ)GK
DF
MF
FWペーター・シュマイケル
ヨン・シヴェバエク
(73分 ラルス・エルストルップ)
ラルス・オルセン
イヴァン・ニールセン
キム・ニールセン
ヨン・イェンセン
ソーレン・レアビー
ミカエル・ラウドルップ
ヤン・バートラム
フレミング・ポウルセン
ブライアン・ラウドルップ
1989年11月15日 ギリシャ vs ブルガリア 1-0
予選最終結果 TEAM 試 勝 分 負 得失 勝点 ルーマニア 6 4 1 1 10:5 9 デンマーク 6 3 2 1 15:6 8 ギリシャ 6 1 2 3 3:15 4 ブルガリア 6 1 1 4 6:8 3
ルーマニアが決勝ラウンド進出!!
予選8試合の出場選手 | ||||||||
PLAYER | P | G | PLAYER | P | G | PLAYER | P | G |
S・ヨヴァン | 6 | 0 | M・クライン | 5(3) | 0 | I・ドゥミトレスク | 2(2) | 0 |
G・ポペスク | 6 | 1 | I・アンドネ | 4 | 0 | B・ステレア | 1 | 0 |
I・サバウ | 6 | 2 | M・ラカトシュ | 4 | 0 | D・ペトレスク | 1 | 0 |
G・ハジ | 6 | 1 | M・レドニク | 3 | 0 | I・ルペスク | 1 | 0 |
D・マテウツ | 6(1) | 2 | C・ヴァイシュコビッチ | 3(3) | 0 | G・バリント | 1 | 2 |
S・ルング | 5 | 0 | M・ベロデディチ | 2 | 0 | N・ウングレアヌ | 1(1) | 0 |
I・ロタリウ | 5 | 0 | A・ブンベスク | 2 | 0 | / | / | / |
R・カマタル | 5 | 2 | D・ルプ | 2(1) | 0 | / | / | / |
決勝ファーストラウンド
本選1次グループB 第1試合
1990年6月9日 デラ・ビットリア(バリ) | ||||||
![]() |
ルーマニア | 2 | 1−0 | 0 | ソ連 | ![]() |
1−0 | ||||||
・ | 得点 | ・ | ||||
M・ラカトシュ M・ラカトシュ |
40 54 |
・ | ||||
シルビゥ・ルング ミルチェア・レドニク ヨアン・アンドネ ゲオルゲ・ポペスク ミカエル・クライン ヨアン・サバウ ヨシフ・ロタリウ ヨヌーツ・ルペスク ダニエル・ティモフテ マリウス・ラカトシュ (87分 イリエ・ドゥミトレスク) フローリン・ラドチョウ (79分 ガブリル・バリント) |
GK DF MF FW |
リナト・ダサエフ ヴァシリー・ラト ヴァジグ・ヒジャツリン オレグ・クズネツォフ セルゲイ・ゴルルコヴィッチ イゴール・ドブロボルスキー (71分 アレクサンデル・ボロデュク) セルゲイ・アレイニコフ アレクサンデル・ザヴァロフ ゲンナジー・リトフチェンコ (66分 イワン・ヤルムチュク) ヴラディミール・ベソノフ オレグ・プロタソフ |
||||
M・ラカトシュ(44分) |
警告 | ・ | ||||
プレイバック・オブ・ザ・ゲーム
〜「北の巨人の沈黙」〜
バリで行われたBグループの第2戦は、ソ連とルーマニアの東欧民主化後の初対戦で、サッカーだけでなく政治的意味をも含んだ対戦にいやがおうでも注目の集まった試合となった。
ルーマニアのキックオフではじまった試合は、ソ連が激しいポジション・チェンジと際だった組織力でルーマニアを圧倒し、先制点は時間の問題だと思わせるほど、一方的に相手ゴールを脅かした。しかし、前半終盤に差しかかった40分、ルーマニアはロタリウからのパスを受けたラカトシュが右サイドに走り込んで豪快にシュート。まさに一瞬のできごとだったが、ソ連が世界に誇るGKダサエフの壁を力で突き破った。
この1点で完全に息を吹き返したルーマニアは、後半に入ると再三にわたって見事なカウンターアタックを披露。54分にはヒジャツリンのハンドを誘ったラカトシュが自らそのPKを決めて、決定的ともいえる2点目を奪った。
このPKを決めた時点でヒーローの座を不動のものとしたラカトシュだが、その後も62分、72分と決定的な場面に絡み、あくなきゴールへの執念を見せる。約4万3千人の観衆も、彼のファイト溢れるプレーに惜しみない拍手を贈り、スーパースターの誕生を祝福。ルーマニアは大きな意味を持つ“1勝”をあげた。
晴れやかな舞台に放たれた鳥たちの第一歩。
1990年6月8日 | カメルーン | vs | アルゼンチン | 1-0 |
TEAM | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得失 | 勝点 |
ルーマニア | 1 | 1 | 0 | 0 | 2:0 | 2 |
カメルーン | 1 | 1 | 0 | 0 | 1:0 | 2 |
アルゼンチン | 1 | 0 | 0 | 1 | 0:1 | 0 |
ソ連 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0:2 | 0 |
本選1次グループB 第2試合
1990年6月14日 デラ・ビットリア(バリ) | ||||||
![]() |
カメルーン | 2 | 0−0 | 1 | ルーマニア | ![]() |
2−1 | ||||||
・ | 得点 | ・ | ||||
R・ミラ R・ミラ ・・ |
76 86 87 |
・ ・ G・バリント |
||||
トーマス・ヌコノ ステファン・タタウ デニス・オナナ ベルトン・エベレ ビクトル・ヌディプ エマヌエル・クンデ (68分 ジャン・クロード・パガル) エミール・ムブー シリル・マカナキー ルイ・ポール・ムフェデ フランソワ・オマンビイク エマヌエル・マドバン (58分 ロジェ・ミラ) |
GK DF MF FW |
シルビゥ・ルング ミルチェア・レドニク ヨアン・アンドネ ゲオルゲ・ポペスク ミカエル・クライン ヨアン・サバウ ヨシフ・ロタリウ ダニエル・ティモフテ ゲオルゲ・ハジ (55分 イリエ・ドゥミトレスク) マリウス・ラカトシュ フローリン・ラドチョウ (63分 ガブリル・バリント) |
||||
D・オナナ(21分) T・ヌコノ(70分) |
警告 | M・クライン(48分) ・ |
||||
プレイバック・オブ・ザ・ゲーム
〜「輝けるカメルーンの至宝」〜
両チームともに初戦で勝点2を挙げており、ソ連が2敗目を喫していることから、この試合を引き分ければ3位以内が決まる。そのため「勝ちたいが、それ以上に負けたくない」という意識が、どちらのチームにもありありと見られた。
こうなると、カメルーンにとってはやりやすかった。彼らにとって一番怖いのはルーマニアのカウンター攻撃で、それがほとんど見られないのだから、持ち前のゆったりとしたサッカーが効いてくる。21分、ハジにFKを直接狙われたが、これはヌコノがファインセーブ。他にはこれといった危ないシーンもなく、押され気味ながらも前半は予定通り0−0で終了した。
後半に入っても試合のペースは変わらない。だが、カメルーンの凄さは、試合の流れに関係なく突然に相手ゴールに襲いかかれるところにある。76分、交代出場したミラが相手ゴール前でアンドネをかわし、左足でサイドネットに突き刺し先制。86分には再びミラが決め、一気に勝負をつけた。
ルーマニアは87分にバリントが1点を返したが、それまで。カメルーンの術中にはまり、悔いの残る1敗を喫してしまった。
若きポペスクはこのベテランプレイヤーの活躍に何を見たのだろうか。
1990年6月13日 | アルゼンチン | vs | ソ連 | 2-0 |
TEAM | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得失 | 勝点 |
カメルーン | 2 | 2 | 0 | 0 | 3:1 | 4 |
ルーマニア | 2 | 1 | 0 | 1 | 3:2 | 2 |
アルゼンチン | 2 | 1 | 0 | 1 | 2:1 | 2 |
ソ連 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0:4 | 0 |
本選1次グループB 第3試合
1990年6月18日 スタディオ・サンパオロ(ナポリ) | ||||||
![]() |
ルーマニア | 1 | 0−0 | 1 | アルゼンチン | ![]() |
1−1 | ||||||
・ | 得点 | ・ | ||||
・ G・バリント |
61 68 |
D・モンソン ・ |
||||
シルビゥ・ルング ミルチェア・レドニク ヨアン・アンドネ ゲオルゲ・ポペスク ミカエル・クライン ヨアン・サバウ (82分 ドリン・マテウツ) ヨシフ・ロタリウ ヨヌーツ・ルペスク ゲオルゲ・ハジ マリウス・ラカトシュ ガブリル・バリント (72分 ダヌーツ・ルプ) |
GK DF MF FW |
セルヒオ・ゴイコチェア ホセ・セリスエラ ダミアン・モンソン ファン・シモン フリオ・ホルヘ・オラルティコチェア ホルヘ・ブルチャガ (60分 グスタボ・デソッティ) ホセ・バスアルド ディエゴ・マラドーナ セルヒオ・バチスタ クラウディオ・カニージャ ペドロ・トログリオ (52分 リカルド・ジュスティ) |
||||
M・ラカトシュ(4分) G・ハジ(8分) I・ルペスク(32分) |
警告 | J・セリスエラ(73分) S・バチスタ(86分) ・ |
||||
プレイバック・オブ・ザ・ゲーム
〜「歓喜の1次リーグ突破」〜
ともにカメルーンに敗れたものの、ソ連に勝ったことでグループBの2、3位をしているアルゼンチンとルーマニアは勝てば2位が確定、引き分けなら総得点でルーマニアが2位。そして、万が一にも負けるようなことがあると、カメルーン対ソ連戦の結果次第では4位転落の危険すらある。
前半は両チームとも積極的で、ルーマニアがハジ、ラカトシュの個人技からチャンスを作れば、アルゼンチンもカニージャ、トログリオが果敢に動き回る。
アルゼンチンに待望の先制点がもたらされたのは61分。マラドーナの右CKをモンソンがニアポストから頭で流し込んでリードを奪った。この1点が、後半は引き分け狙いのルーマニアを慌てさせることになるのだが、チャンスは意外に早く訪れる。7分後、ラカトシュが右から上げたセンタリングを逆サイドでサバウが折り返すと、待ち構えていたバリントがヘッドでゲット。この瞬間、ソ連の望みは消え、アルゼンチンに試練のベスト16入りが、そしてルーマニアには初のトーナメント出場が決まった。
決勝トーナメント進出を求めて男達がたった一つのボールに翻弄される姿こそ、美しい。
1990年6月18日 | ソ連 | vs | カメルーン | 4-0 |
1次リーグ最終結果 | ||||||
TEAM | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得失 | 勝点 |
カメルーン | 3 | 2 | 0 | 1 | 3:5 | 4 |
ルーマニア | 3 | 1 | 1 | 1 | 4:3 | 3 |
アルゼンチン | 3 | 1 | 1 | 1 | 3:2 | 3 |
ソ連 | 3 | 1 | 0 | 2 | 4:4 | 2 |
上位3チームが決勝ラウンド進出!!
決勝トーナメント 1回戦
1990年6月25日 ルイジ・フェラリス・スタジアム(ジェノバ) | ||||||
![]() |
アイルランド | 0 | 0−0 | 0 | ルーマニア | ![]() |
0−0 | ||||||
K・シーディ○ R・ホートン○ A・タウンゼント○ T・カスカリーノ○ D・オレアリー○ |
PK 5-4 |
○G・ハジ ○D・ルプ ○I・ロタリウ ○I・ルペスク ×D・ティモフテ |
||||
パット・ボナー クリス・モリス ミック・マッカーシー ケビン・モラン スティーブ・ストーントン (94分 デビッド・オレアリー) アンディ・タウンゼント ポール・マグラス レイ・ホートン ケビン・シーディ ジョン・オルドリッジ (22分 トニー・カスカリーノ) ナイアル・クイン |
GK DF MF FW |
シルビゥ・ルング ミルチェア・レドニク ヨアン・アンドネ ゲオルゲ・ポペスク ミカエル・クライン ヨアン・サバウ (98分 ダニエル・ティモフテ) ヨヌーツ・ルペスク ヨシフ・ロタリウ ゲオルゲ・ハジ ガブリル・バリント フローリン・ラドチョウ (76分 ダヌーツ・ルプ) |
||||
J・オルドリッジ(21分) P・マグラス(107分) |
警告 | G・ハジ(112分) D・ルプ(116分) |
||||
プレイバック・オブ・ザ・ゲーム |
〜「未勝利艦隊はさらに航海を続ける」〜
1次リーグを3引き分けでクリアしたアイルランドがルーマニアとの決勝トーナメントをPK戦の末に突破し、1勝もせずにベスト8に進出するという珍記録を作った。
立ちあがりはハジやバリントといったテクニシャンに苦しめられたアイルランドだが、「このままでは危ない」と見るや、徹底した厳しいチェックでこの2人を封じにかかる。英国系特有のタイトなディフェンスに接したことのないルーマニアはこれで嫌気がさしたのか、急速に勢いを失っていった。とは言っても、アイルランドの攻撃陣も相変わらずの無策ぶりで、ルングの守るゴールを脅かすまでには至らない。試合は盛り上がらないまま、PK戦へと突入していった。
決勝トーナメント初のPK戦は、それまでの120分間と同じように相譲らぬ展開だった。先攻のルーマニアがハジ、ルプ、ロタリウ、ルペスクが決めれば、アイルランドもシーディ、ホートン、タウンゼント、カスカリーノが返す。そしてルーマニアの5番手のティモフテがペナルティー・スポットへ向った。圧倒的なアイリッシュ・サポーターの声援に萎縮したのか、ティモフテのキックはアイルランドGKボナーがストップ。そしてオレアリーが確実に決め、ベスト8に進出したのである。
一方、ルーマニアはラカトシュの欠場が大きく響き、右サイドからの攻めに鋭さを欠いていた。彼がいればみすみすアイルランドのペースに巻き込まれることもなかった筈だった。
若きティモフテのPKを止めて、アイルランドの魂を体現したボナー。
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