革命後のルーマニア経済
理想と現実
ルーマニアの主要経済は総生産の50%は工業、25%農産と林業、15%販売、6%交通とコミュニケーション、4%建築です。1989年の改命後には、国営工場が民営化されて経済は好循環しはじめ、それと並んで中小企業として新しく設立された私営企業もルーマニア経済の発展に影響を与えました。ルーマニアの主要生産物である小麦とトウモロコシ、野菜、果実、サトウキビ、植物油、ワイン作りも普及しており、多くの農園が家畜なども飼っています。ルーマニア産業は鉄鋼や家具、化学製品などを生産しています。しかし、最も重要な部門は石油、天然ガス、そして石油を原料とした石油化学製品などです。また、鉱山業では石炭やボーキサイト、銅、鉛、亜鉛、そして鉱石を生産しています。林業や漁業も現在、発展段階にあります。1989年の政府はルーマニアを市場経済に変革しようと懸命になってました。
しかし、革命直後の1990年の工業生産額を100とした場合98年のそれは56%強、何と工業生産額は44%も減少しています。一方、消費者物価は1990年を100とすると98年には46%というとんでもない数値になっています。労働者の賃金や給料が物価の上昇と同じ比率で増えれば、とりあえず問題は無い訳ですが、ルーマニアの賃金の伸びはそこまでいきませんでした。
労働者の実質的な給料は少なくなりました。また、工業生産額が少なくなるということは、失業者の増加につながりました。ルーマニア政府の予測でも、消費者物価の上昇はしばらく続くとしています。また、工業生産額のV字型の回復も見込めません。
ルーマニアの国民の生活は大変だということがよくわかります。
GNP
ルーマニアの一人あたりのGNPは約1,500ドル。これは下位中所得国に該当するそうです。しかも、ルーマニアのGNPは10年間増えていません。ヨーロッパで一人あたりのGNPがルーマニアより低い国はアルバニア、ブルガリア、マケドニアしかありません(統計のある国で)。アジアと比較しても、インドネシアやフィリピンよりは高いが、タイよりは低いです。日本の25分の1ほどにしかなりません。GNPは万能ではありませんが、ルーマニアの人々の暮らしの貧しさがうかがい知れます。
輸出物
ミネラル燃料20%、機械など20%、鉄25%、家具と木材15%、衣類12%、車9%など。
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