悪魔伝説



吸血鬼伝説:

 吸血鬼伝説は多くの国にあります。トランシルバニアの人々の間でも、広く伝説が伝わっているそうです。自殺者や結婚せずに死んだ者、犯罪者などは天国に行けずに、「ストリゴイ」となってこの地をさまよい悪さをする、という伝統がありました。マラムレシュ地方では、死者がストリゴイとなるのを防ぐために、結婚せずに死亡した者の葬式は許婚との仮の結婚式を兼ねており、死者を慰めるのだそうです。死んでも死にきれないという、このストリゴイは人間の血を吸って永遠に生き続けるドラキュラのイメージと重なります。


ルーマニアのドラキュラ伝説:

・ブラド三世(ブラド・ツェペシュ/ドラキュラ公)在位1456〜62年

 若き日に、コンスタンチノープル(現イスタンブール)遊学中にビザンチン帝国の滅亡に遭遇し、支配者となったオスマン・トルコのメフメト二世の捕虜となる。やがて許され国へ戻り、ワラキアの支配者となるが、約束であったトルコへの貢納金の支払いを拒否し、スルタンから派遣された兵士を生身のまま串刺しにした残虐な行為から、ツェペシュ(串刺公)とあだなされた。

 ドラキュラの名は彼の父が神聖ローマ帝国皇帝から受けた、竜=ドラゴンが彫られたメダルに由来する。父はそれによってドラクル、あるいはドラキュラと呼ばれ、その名が子孫の家名となりました。ドラク(DRAC)とはルーマニア語で“悪魔”のことであります。 シギショアラに生家、ブカレストをはじめ各地には彼にゆかりの城跡が残っています。

 「吸血鬼ドラキュラ」は彼の行状を年代記で読んだアイルランドの作家、ブラム・ストーカーのフィクションです。

ブラン城

魔女:

 ルーマニアにはいまだに魔女や祈祷師が3人ほど残っているそうです。また、菊池秀行さんの「吸血鬼幻想」には、ブラン城の近くの村で2人の魔女に会ったという話が載っています。そして、占いや魔よけの儀式などが古くからずっと行われていたそうです。
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